【解説】トランプ支持者は何者なのか?支持率90%超“トランプタウン”の支持者が求めたものは「変化」 生活費は急騰・ローン地獄・エリート政治家への不信感も
「産業がない、信号機も1つだけ」 生活の安定を求める
ヘンドリックスさんの紹介を受けて、次に向かったのは町の美容院。まず答えてくれたのは、この町で結婚して38年。1歳と2歳の孫もいるというマリアン・ストリックランドさん(62)だ。「トランプ氏を100%支持している」と明言し、「ここ数年で経済的に苦しい人が沢山でてきた」と町の状況を説明してくれた。 さらに「町に産業がない」とも嘆く。住民の多くは、100キロも離れた大きな町に仕事に出ることを余儀なくされ、ガソリン代もばかにならないという。さらに「町には小さな食料品店が1軒。信号機も1カ所。地元の食料品店の値段は法外だ」と不満を漏らす。 地域やコミュニティーに「感謝している」としつつも、「多くの変化が必要だ」として、トランプ氏が必要だと強調した。 また、ハティ・アレンさん(72)は、「この国を救ってくれる誰かが必要だ。私はトランプならそれができると思う」と続ける。彼女も生活への不安を理由として挙げた。 「経済はひどい状況で、もう快適に暮らすことはできない。あらゆる出費を気にしなければならない」 髪の毛をブロー中のホリー・ウッドラフさん(69歳)も会話に参加すると、トランプ氏を支持する最大の理由を「経済」と断言した。 そして、バイデン政権とハリス副大統領を「3年半で彼らは私たちの国を破壊した」と批判した。
警察官も「トランプ支持」 若者は「家を買いたくても買えない」
美容院から次の取材に向かう途中で出会ったのは、勤務中の警察官ラリー・チャンピオンさん(24)だ。警察官は取材に応じないことが多いが、彼は堂々と「トランプ支持者だ」と明言した。 彼もまた、生活の苦しさを挙げ、「私たちのために、トランプが何とかしてくれる」と期待する。一方、別の視点からも支持する理由があるという。 1つは、彼は黒人だが、「民主党は私たちを分断しようとしている」と指摘し、「黒人は民主党、白人は共和党であるべきだと考えている」と不満を示した。トランプ氏が分断を煽っていると批判される事は多いが、彼はむしろ民主党側こそ、分断を生み出す原因があると批判する。 2つ目にトランプ氏が、警察や治安の予算を増やすことを明言していることを挙げ「トランプは警察の味方だ。非常に協力的だ」と強調した。 その後に訪れた、自動車修理工場では、ブレイク・クレランドさん(21)が迎えてくれた。 「上手く言えないけど、トランプを信用している以外にはない」と彼は話し始めると、「中小企業を経営しているが、ハリスよりもトランプの政策をより必要としている」と付け加えた。 また、「遅くとも2年以内には家を買いたいと思っているのが、今の価格では確実に無理だ」と嘆いた。バイデン政権の4年間のうち、修理工場は何度か破産の危機に陥ったが、ギリギリのところで持ちこたえているという。彼もまた、トランプ氏に経済的な「変化」を求めていた。