シリア・アサド政権崩壊、各国の反応
【AFP=時事】シリアの反政府勢力が8日、バッシャール・アサド政権を倒した。各国の反応をまとめた。 【写真】政府施設に残されたバッシャール・アサド大統領の肖像画、他 ■ロシアは高度警戒態勢、反政府勢力は駐留軍の安全「保証」 アサド政権の同盟国であるロシアは、シリアに軍部隊を駐留させており、高度警戒態勢にある。ただ、反政府勢力はロシア軍基地の安全を「保証した」としている。 アサド氏がモスクワに逃亡したとの一報に先立ち、セルゲイ・ラブロフ外相は7日、シリアが「テロリスト集団」の手に落ちることは容認できないと述べた。 ■米大統領「アサドの責任追及を」 ジョー・バイデン大統領は、「アサド政権から独立し、新憲法を持つ主権国家への移行を確立するために、国連主導のプロセスも含め、シリアのあらゆるグループと連携していく」と語った。 また、アサド氏は「責任を問われるべきだ」とした。 ■中国「安定回復を望む」 中国外務省は「シリア情勢の進展を注意深く見守っており、一刻も早く安定を取り戻すことを望んでいる」とした。 ■イランは「友好」継続を期待 イラン外務省は、シリアとの「友好」関係が続くことを期待していると述べた。 ■トルコ「シリアの傷癒やす」 ハカン・フィダン外相は、シリアの反政府運動を支持してきたトルコとしては、「シリアの傷を癒やし、統一、一体性、安全を保証する」ことを支援すると語った。 ■国連「画期的瞬間」 国連(UN)シリア担当特使のゲイル・ペダーセン氏は、反政府勢力が政権を倒したことについて「14年近くにわたる内戦に苦しんだ国にとって画期的な瞬間」と指摘。「シリア人にとって平和、和解、尊厳、包摂に向けた新たな(章)の幕開けとなることを、慎重に、希望を持って見守る」と話した。 ■仏大統領「野蛮な国家の崩壊」 エマニュエル・マクロン大統領は、アサド氏の下での「野蛮な国家」の崩壊を歓迎。「シリアの人々、その勇気、忍耐に敬意を表する」と話した。 ■イスラエル首相「悪の枢軸の中核が崩壊」 ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「イランの悪の枢軸の中核となる連携」が崩壊したと指摘。シリア政権の崩壊は「イランと、(イスラム教シーア派組織)ヒズボラというアサドの主要な支持者に対してわれわれが与えた打撃の直接的な結果だ」と自賛した。 ■ウクライナ「プーチンに頼るな」 アンドリー・シビハ外相は、アサド氏の退陣を歓迎するとともに、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を後ろ盾とする独裁者は必ず倒れる運命にあると強調。また、シリア国民への支持を表明した。【翻訳編集】 AFPBB News