飛べ 春高バレー有望選手紹介 慶応・松田悠冬 世界を見据える191センチ大型セッター 目指すは過去最高8強入り
「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(来年1月5日開幕、東京体育館、サンケイスポーツなど主催)の注目選手を紹介する連載の第3回は男子の神奈川・慶応の松田悠冬(ゆうと、3年)。身長は191センチを誇り、世界トップレベルでも増えつつある高身長セッターとして、日本代表入りを目指して成長を続ける。 先発の平均身長が約185センチと高いチームの中でも最長身。主将で司令塔の松田は「高さを生かせるコンビや攻撃を常に考えている」という。 セッターは守備専門のリベロとともに低身長選手のポジションと思われがちだが、高い方がブロックで穴にならず、高い位置から、より速くて打ちやすいトスを供給できる。そのため2メートルクラスのセッターは世界的に増えている。松田は、現在日本で最も高身長のセッターとされる日本代表の永露元稀(大阪B、192センチ)と並ぶ高さだ。 中学ではリベロ以外のすべてのポジションを経験し、3年時のJOC杯にはミドルブロッカーで出場。だが「将来、より高いレベルでバレーをやりたい。そのためにどうすれば生き残れるかを考えた結論が、大きいセッターだった」。 慶応進学時、渡辺大地監督にセッターを願い出た。「最初は超初心者でした」と苦笑するが、渡辺監督は「この3年間でとてもよく成長した。バレーIQは高いので、経験値を積み、体のコントロールができるようになれば」と期待する。 目標はフランス代表で東京、パリ両五輪金メダルのアントワーヌ・ブリザール(196センチ)や、米国代表でパリ五輪銅メダルのマイカ・クリステンソン(198センチ)ら、世界トップの長身セッター。「将来は海外のチームでやりたい。実力が足りないので、もっと練習したい」。進学先の慶大で一層の成長を期す。 本大会の目標は慶応の過去最高を上回る8強入り。「そこからセンターコート(準決勝以上)で勝負できるチームを」と松田。長身セッターが相手を翻弄する。(只木信昭) ■松田 悠冬(まつだ・ゆうと) 2007(平成19)年1月26日生まれ、17歳。川崎市出身。セッター。元Vリーグ選手の父・敬(ひろし)さんの影響で小2で競技を始める。川崎市立西中原中3年でJOC杯出場。慶応高3年で高校総体、国民スポーツ大会出場。夏には全国高校選抜でインドネシア遠征に参加。慶大進学予定。191センチ、69キロ、最高到達点332センチ。