泊まれる学校おくも村 累計宿泊者数1万人へ 連載”まちの世間遺産”/兵庫・丹波篠山市
当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県丹波篠山市中にある、廃校利用の宿泊・交流施設「泊まれる学校おくも村」です。 2016年3月で閉校となった大芋小学校の校舎を、地域住民でつくる一般社団法人・おくも村(勝木誠理事長)が20年4月から宿泊・交流施設として運営している。毎年、宿泊客数を伸ばし、昨年度、当初目標としていた年間宿泊客数3000人を達成。今年度も昨年度を上回る数で推移している。来年4月の5周年記念式典の頃には累計1万人を超えると予測する。 1泊1団体の貸し切り制が売り。都市部からの学童のスポーツ合宿、大学生のサークルやゼミ合宿、家族連れのグループの利用が多い。 地元住民の憩いの場でもある。同窓会や会議で利用されるほか、夏休み前には子ども対象の「夕ぐれカフェ」を開催。夜店を出し、花火やホタル鑑賞を行った。「通学合宿」も今年度、公民館からおくも村に移して復活。グラウンドでのテント泊が好評だった。健康ランドをイメージした「お風呂cafeしゃべり場」は今年度、3回開催する。
11月からは月に2回、駄菓子屋を開き、子どもが一日店長を務め、にぎわいを見せている。19日の一日店長を予定している大阪一陽さん(多紀小2年)は「(施設内では)キッズカーやブランコが好き」と気に入っている様子。 理事の江坂道雄さんは「コロナ禍で抑えていた地元向けの催しを増やしつつあり、5周年式典をきっかけにさらに地元の方に足を運んでもらえる施設にしたい」と話している。