目薬は一度に2滴さしても意味がない!【40代、50代・薬と上手に付き合う方法⑧】
パソコンやスマホの画面を見ていると、あっという間に数時間がたっているという人も多いのでは? それに伴い目の疲れを訴え、目薬を利用する人も増えている。しかし、目薬を適切に使用している人はとても少ない、と薬剤師の鈴木素邦(そほう)さん。そこで、これだけは知っておきたい目薬の使い方の基本を伺った。
目薬は不調の原因を考えて!
パソコンやスマホの普及や、年齢による視力の低下などで、40歳を過ぎた頃から目の疲れを訴える人が増えてくる。それを解消しようと、目薬を買いに薬局に行って、その種類の多さに驚き、どれを買っていいのか困った経験はないだろうか? 「ドラッグストアなどで一般の人が買える目薬では、主に疲れ目、ドライアイ、かゆみに対応したものがあります。選ぶ際には、これらがどうして起こっているのかを考える必要があります。 例えば、かゆみがある場合は、それがドライアイで起こっているのか、アレルギー症状なのかによって選ぶ目薬は違ってきます。ドライアイによってかゆみを感じているのなら、乾燥を止めるものでないと根本的な解決にはなりません」(鈴木さん) そんなときには薬剤師に聞いてしまったほうが早いのだが、簡単な目薬の特徴を知っておくといいだろう。 「疲れ目はパソコンやスマホの長時間の使用など、目のピント調節機能を酷使したときに起こります。疲れ目を解消するために、それらに対応する成分が配合されたものを選びます。 例えば、ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩、角膜を修復するビタミンA、目の炎症を抑えるグリチルリチン酸ニカリウムなどです。 ドライアイは涙の分泌量の低下や涙の成分バランスの変化などで、目が乾いている症状です。涙は目の表面を保護して、酸素や栄養素の運搬を助ける働きがあります。症状は目がしょぼしょぼしたり、かゆみなど。ドライアイを放置していると眼球に傷がつくこともあるので、放っておいていいものではありません。 ドライアイの解消には、涙に含まれるミネラル成分である塩化カリウムや塩化ナトリウム、目の潤いをサポートするコンドロイチン系やヒアルロン酸系の成分が含まれているものがいいでしょう。 花粉などのアレルギーのかゆみには、抗ヒスタミン成分やケミカルメディエーター遊離抑制成分など、抗アレルギー作用のある成分を含むものを選びます。 目のちょっとした不調には市販薬がたくさん出ていますが、目の病気は放っておいて自然に治るものはありません。例えば、緑内障などは失明につながることがあります。見え方などに異変があったら、すぐに眼科を受診することをおすすめします」