約6割の高齢者世帯が「老後は年金だけで生活できない!」65歳以上「年金生活世帯」の年金額・貯蓄額はいくら?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%公的年金・恩給による収入のみで生活できる高齢者世帯は41.7%であることが明らかになりました。 ◆【グラフで見る】老後の平均年金月額はいくら?貯蓄はどのくらい保有している? 約6割の高齢者世帯が、年金以外の収入を得ていることがわかります。 本記事では、65歳以上の年金生活世帯が受け取っている年金額や貯蓄額などについて解説していきます。年金生活者の現状を知り、老後資金の準備のためにお役立てください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上の平均年金受給額
厚生労働省年金局の発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均受給額は、厚生年金が14万3973円、国民年金が5万6316円です。 年齢別の平均受給額を、5歳刻みで見てみましょう。 なお、厚生年金は国民年金を含めた金額です。 厚生年金の平均受給額は14万3000円~16万円ほどとなっており、高齢になる程、若干ですが高額になる傾向があります。 国民年金の平均受給額は5万2000円~5万8000円程となっており、高齢になる程、わずかに減少しているようです。 公的年金だけで生活費をまかなえない場合、働いて収入を得たり貯蓄を取り崩したりすることになるでしょう。では、65歳以上の世帯では、どのくらいの貯蓄があるのでしょうか、次章で確認していきましょう。
65歳以上世帯の平均貯蓄額と中央値
総務省統計局が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯の平均貯蓄額は2462万円、中央値(※)は1604万円です。 ※ここでいう中央値とは、貯蓄なし世帯を除いた世帯を貯蓄高の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄高のこと ・100万円未満:7.9% ・100~200万円未満:4.1% ・200~300万円未満:3.2% ・300~400万円未満:3.7% ・400~500万円未満:3.0% ・500~600万円未満:4.1% ・600~700万円未満:3.1% ・700~800万円未満:3.1% ・800~900万円未満:2.9% ・900~1000万円未満:2.3% ・1000~1200万円未満:5.5% ・1200~1400万円未満:4.3% ・1400~1600万円未満:4.3% ・1600~1800万円未満:4.2% ・1800~2000万円未満:3.2% ・2000~2500万円未満:7.1% ・2500~3000万円未満:6.6% ・3000~4000万円未満:8.7% ・4000万円以上:18.8% 貯蓄額が2000万円以上の世帯は40%を超え、3000万円以上でも28%を占めています。 なお、平均貯蓄額は2462万円で中央値は1604万円となっており、平均貯蓄額のほうが860円ほど多いです。 これは、貯蓄高の多い世帯が平均値を押し上げているためと考えられ、実感としての平均額とは乖離している可能性があります。 そこで参考になるのが中央値です。中央値はデータの値を小さい順に並べてちょうど中央に来る値です。データ中の極端に大きいまたは小さい値の影響を受けづらいため、実際の平均に近い値とされています。 そのため、実際の平均額は1604万円程と捉えるのが適しているでしょう。 また、貯蓄の種類別に見ると、最も多いのが定期性預貯金、次いで通貨性預貯金、有価証券、生命保険という順です。 しかし、定期性預貯金の割合は年々減少傾向にあり、有価証券で貯蓄する割合が増加傾向にあります。 定期性預貯金で手堅く貯蓄する一方で、有価証券で積極的に資産形成する世帯も増えていることがわかります。