大阪・岸和田市長が性的関係巡って維新離党 市議会は“出禁”に
大阪維新の会は8日、性的関係を強要されたとして女性から損害賠償を求める訴訟を起こされ、和解した大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)を正式に離党勧告処分とし、離党届を受理した。維新は永野氏が説明責任を果たさない場合は除名するとしていたが、永野氏が6日に記者会見を開き、女性との不倫関係を認めたことから、一定の説明がなされたと判断、除名は見送った。 永野氏は9日、離党を受けて会見し、「処分を重く受け止めたい。市民にも謝罪し、仕事で返したい」などと述べ、改めて市長を続ける意向を示した。この日は市議会の開会日で、永野氏は本会議の冒頭で一連の経緯を説明。しかし、市議から「即刻辞職し、この場から去ってほしい」「不信感しかない」などと厳しい声が相次いだ。 烏野隆生議長らは永野氏に対し、「市長として信用できない」などとして、議会への出席を拒否。議事は市長不在で進められ、代わりに副市長らが説明や答弁をした。市議会は永野氏に対する不信任や辞職勧告などの決議案を出す方向で調整している。 原告側の弁護士によると、女性は2019年に政治活動に関係して永野氏と知り合い、直後から性的な関係を求められたという。精神的に追い詰められた女性は体調を崩し、21年春から休職。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。 和解調書(11月14日付)は、2人が対等な関係ではなく、永野氏が「女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場で、社会的な上下関係が形成されていた」と指摘。永野氏が公人で配偶者がいる点にも触れ、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」として、女性に謝罪し、解決金500万円を支払う内容で合意した。【東久保逸夫、中村宰和】