高倉健さん没後10年。遺作『あなたへ』に出演するきっかけとなった、ある1枚の写真とは――その映画人生を振り返る
俳優・高倉健さんが、83歳で逝去してから10年。読売新聞社は2024年10月3日より、東京・大手町のよみうりギャラリーにて〈没後10年展「高倉健に、なる。」〉を開催する。 【写真】何を読んでいるのか…自宅図書室での高倉健さん * * * * * * * ◆高倉が求め続けた〈大切なもの〉とは 映画俳優として初の文化勲章を授与された高倉健さんが、83歳で逝去してから10年。読売新聞社は2024年10月3日より、東京・大手町のよみうりギャラリーにて〈没後10年展「高倉健に、なる。」〉を開催する。 最後の映画スター・高倉健のキャリアとその時代を、出演作品や本人の言葉、遺した愛用品の品々で振りかえりながら、映画俳優にこだわった生き方、美学を紹介。高倉さんが求め続けた〈大切なもの〉を現代に伝える。 展示会ではまず、高倉健さんの訃報と、各界や全国各地から故人を悼む声が掲載された、読売新聞の2014年11月18日夕刊、19日朝刊を展示。日本人にとって、その死がどれだけ衝撃を与えたかが伺える。 そして1931年2月16日、福岡県中間市に次男として生まれた高倉健、本名・小田剛一が、どのように生き、東映ニューフェイス第2期生として東映に入社、俳優としての人生をスタートしたのかの軌跡をたどる。 さらに、『八甲田山』(1977 年、配給:東宝)、『幸福の黄色いハンカチ』(1977 年、配給:松竹)など、俳優として演技とは何かを生涯追い求め、映画の職人として出演した数々の作品を振り返る。 また、バブル期には海外ロケも盛んであった、テレビCMについても展示。高倉の演じてきた〈寡黙で、正しく、強い男〉を、「不器用ですから」というキャチコピーで印象付けたCMについても取り上げる。
その頃「戦後の日本は、金をかけたものが心のこもっているものだとみんながどこかで思いはじめた時から、何かが曲がってきはじめたと思うんですよね」と語っていた高倉さん。 〈大切な何か〉を追い求めるようになった高倉さんは、晩年映画製作にも深く関わっていくように。『ホタル』(2001 年、配給:東映)では、製作者を対象に贈られる藤本賞の特別賞を受賞している。 2011年の東日本大震災で「これは、僕にとっての第二の敗戦だ…」と語り、途方もない無力感にさいなまれていたという。遺作となった『あなたへ』(2012年、配給:東宝)に出演するきっかけとなった、ある1枚の写真とは――。 本展のタイトルになっている「高倉健に、なる。」は、九州に生まれ、上京して偶然、俳優という道に入った小田剛一という人間が、映画界を背負う「高倉健」として生きて行く決断をするまでの葛藤と覚悟がこめられているという。 常に高倉健として生き、高倉健として人々に見送られた姿を、写真や本人の言葉、愛用の品々から振り返る。 没後10年展「高倉健に、なる。」 会期: 2024年10月3日(木)~11月28日(木)/日曜祝日休館 会場: よみうりギャラリー(東京・大手町 読売新聞ビル3F)※入場無料 開場時間: 10:00~19:00 *土曜~17:00 ただし17 時以降および土曜日は一部コンテンツをご覧いただけません。 主催: 読売新聞社 企画協力: 高倉プロモーション 協力: 日本映画放送
「婦人公論.jp」編集部