横行する“闇バイト”の実情を村田らむが激白!強盗、死体遺棄、復讐代行……報酬50万円で失う人生
最近世間を騒がせている強盗事件。その実行犯として“闇バイト”が挙げられている。闇バイトとは、犯罪行為を行うことで報酬を受け取るバイトのことだ。 ▶︎すべての写真を見る
一見高報酬に思えても、ルポライターの村田らむさんはまったく割に合わないバイトだと警鐘を鳴らす。
昔から存在する「闇バイト」の構造
ここのところ、闇バイトという言葉が飛び交っている。ネット上で雇われた若者たちが、強盗を繰り返しているが、振り込め詐欺の組織から流れているケースが多いようだ。 実行犯は、指示役からの指示通りに動く。実行犯は、判断力が乏しい若者が多い。時に暴走して、傷害事件や、殺人事件にまで発展してしまう。家を襲っても、室内にある現金などたかが知れている場合が多いし、簡単に見つかるとも限らない。 家人を拉致してATMでお金を引き出させたとしても、現在は上限の50万円までしか下ろせない。つまり、それほど稼げる仕事ではないのだ。
それとは裏腹に、強盗致死傷罪は非常に重たい。刑法では以下のように規定されている。 「強盗が、人を負傷させたときは無期または六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑または無期懲役に処する」(刑法第 243 条) つまり、全然割に合わない犯罪なのだ。闇バイトという言葉は最近できたと思うが、昔から同じ構造の犯罪はよくあった。「判断力の弱い人間を使って悪事を働く」という点に焦点をおいて、僕が実際に目にしたり、耳にした例を思い出してみた。
ホームレス、若者......判断力に乏しい人が雇われる
僕は⻑年にわたってホームレスを取材してきていたが、彼らは昔からよく闇バイトに使われていた。具体的には以下のようなことだ。 ・チケットの並び屋、花見・花火などの場所取りにホームレスを使う。 ・通帳を作らせてそれを数万円で買い取る。その通帳は振り込め詐欺などで使われる。 ・福祉マンションに入れて、生活保護を取得し、その大半を巻き上げる。 ・ホームレスを手術して、診療報酬を稼ぐ。 ホームレスは安く使えるし、貧困ビジネスには欠かせない存在だが、最近はホームレスの数が激減している。巻き上げる側の人たちは、人材不足で困っていると聞く。