天皇皇后両陛下、晩餐会に出席…日英友好への思い チャールズ国王は「お帰りなさい」
■終始、歓迎ムードのパレード
市内2カ所で、それぞれ41発の礼砲が放たれました。歓迎式典が終わるとチャールズ国王と天皇陛下が一緒の馬車に乗り込みました。2人で言葉を交わして時折、笑みがこぼれる様子が見えます。 その後には、雅子さまとカミラ王妃を乗せた馬車が続きます。 雅子さまがマスクを付けているのは「馬アレルギーのため」だといいます。 当初、2020年に予定されていた公式訪問でしたが、コロナの影響で延期。招待したエリザベス女王も亡くなったため、天皇陛下は出発前の会見で、「御存命中に伺えなかったことが心残り」と語られています。 この日、ロンドンの最高気温は28℃。炎天下の中、集まった人たちに笑顔で手をふって応えた天皇皇后両陛下。バッキンガム宮殿前の「ザ・マル」と呼ばれるおよそ1キロの並木道。日の丸とイギリス国旗が掲げられるなか、馬車は進んでいきます。 パレードが行われる「ザ・マル」では、馬車の通る道を作るために信号機を撤去。こうしたパレードのために、信号機は取り外しできるようになっているそうです。 パレードの5時間前から待っているという日本人の親子は、このように話しました。 パレードを見に来た親子 「会えたら会えたで天にも昇る気持ちですけど、話せたら話したいという感じかな」 パレードを見に来た女性 「(Q.馬車のスピードはあっという間だった?)あっという間でしたね。構えていたんですけど、実際に生でお顔をみたいというのと、写真を撮ろうかと迷いましたけど、感動しました」 パレードを見に来たイギリス人 「私も両陛下のファンなので良かったです。皇后さまがマスクをされていたのは残念でしたね。目だけ見えました」 「2020年に訪れる予定がコロナで中止になって、ようやく公式訪問が実現して良かったわ」
■「無名戦士の墓」にも花を…
終始、歓迎ムードで行われた今回のパレード。 過去には、1971年に昭和天皇と香淳皇后が出席されたパレードでは、エリザベス女王と昭和天皇の馬車をめがけて男がコートを投げつける事件も。 1998年、上皇ご夫妻が天皇、皇后としてイギリスを訪問された際にも、先の戦争で旧日本軍の捕虜となった元軍人などが、沿道で背を向けるなど歓迎ムード一色ではありませんでした。 パレードはおよそ10分間行われ、終着点となるバッキンガム宮殿前へ到着しました。 チャールズ国王主催の昼食会「午餐(ごさん)会」にご出席された天皇皇后両陛下。その後は、チャールズ国王とカミラ王妃の案内で、日本の皇室からイギリス王室に贈られたコレクションなどをご覧になられました。 イギリスへのご出発を前に、天皇陛下は両国の戦争の歴史について思いを話されていました。 天皇陛下 「私と雅子は戦後生まれであり、戦争を体験していませんが、亡くなられた方々や苦しく悲しい思いをされた方々のことを忘れずに、過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います」 第1次世界大戦で亡くなった、身元不明の兵士たちが埋葬されるウェストミンスター寺院。天皇陛下はモーニングからスーツに。雅子さまは真っ白なレースのお召し物から白を基調とした中に、黒のラインの入ったセットアップに着替えられ、無名戦士の墓を訪れました。 牧師 「ここは無名戦士をたたえています。ここには戦争の記憶がとどめてあります」 牧師から説明を受けた後、陛下は「無名戦士の墓」に花を手向けられ、お二人そろって、およそ10秒間にわたり深々と一礼されました。 オーケストラの生演奏とともに、天皇陛下はチャールズ国王と、雅子さまはカミラ王妃と並び入場されて始まった晩餐会。 陛下は、燕尾(えんび)服にホワイトタイ。胸には、昼食会の後に、チャールズ国王から贈られた、イギリス最高位の「ガーター勲章」が着けられています。 雅子さまは、白のドレス姿に頭に着けたティアラが輝きます。メインテーブルにはチャールズ国王を中心に、左に天皇陛下、右にカミラ王妃、その隣に雅子さまが着席されました。