激化する人材争奪戦…最新の就活トレンド
とある大学前のカフェ。ここでは、学生証を提示するとドリンクが無料になる。 さらに、Wi-Fiや電源も自由に使用可能で、営業時間内であれば何時間でも滞在できる。 これらのサービスを提供しているのは、「知るカフェ」。 無料サービスを実現できたのは、スポンサー企業150社の協賛金で運営しているからだ。 企業は年間約300万円を支払うことで、店内に広告を出したり、学生に事業内容などを説明する交流会を開催したりすることができる。 全国に17店舗を展開する知るカフェは、そのほとんどが有名大学の近くにあり、企業と学生の出会いの場となっている。 2019年春卒業予定の大卒求人倍率は1.88倍 (リクルートワークス研究所調べ)。 1人の学生を2社で取り合うような状況だ。 東京・墨田区で開かれたのは、「逆求人フェスティバル」と題した就活イベント。 一般的な合同説明会は、学生が企業のブースを訪問するが、このイベントでは立場が「逆」になる。企業が学生にアプローチするのだ。 参加企業はこの5年で2倍以上に増加し、今年はすでに400社を超えている。 秀でたスキルを持ちつつ大企業への就職にこだわらない学生が集まっていて、1対1でじっくりと話せることなどが人気の理由だ。 企業は気にいった学生に面談を申し込み、強みや経験を把握する。 その後の「スカウトタイム」で、興味のある学生を選考に誘い、人材確保につなげる狙いだ。 企業が学生を“選ぶ”時代から、“選ばれる”時代へ。 人材獲得競争は激しさを増している。 監修:酒井 一樹