なぜ森保監督は“今”このタイミングでUー22代表に久保建英、堂安律らを招集したのか?
来夏に迫った東京五輪世代となるU-22日本代表へ、森保一監督のもとでチームが立ち上げられた2017年12月以来、初めてベストメンバーが招集されることが決まった。 U-22コロンビア代表をエディオンスタジアム広島に迎える、17日のキリンチャレンジカップ2019に臨むU-22日本代表メンバーが5日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。総勢22人のメンバーのなかには、フル代表を主戦場としていたMF堂安律(PSVアイントホーフェン)、DF板倉滉(FCフローニンゲン)、そしてMF久保建英(RCDマジョルカ)の3人が名前を連ねた。 フル代表は今月の国際Aマッチデーで、14日にキルギス代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選第4戦(ビシュケク)を、19日にはベネズエラ代表とのキリンチャレンジカップ2019(パナソニックスタジアム吹田)を戦う日程がすでに組まれている。 東京・文京区のJFAハウスで記者会見に臨んだ森保監督は、U-22代表のメンバーと6日に発表されるフル代表のメンバーが重複しないと明言した。 「広島で行われる今回のキリンチャレンジカップに臨むU-22のメンバーは、この活動だけに専念してもらおうと思っています」 18歳の久保と22歳の板倉がU-22代表に名前を連ねるのは、今年3月にミャンマーで開催されたAFC・U-23アジア選手権予選以来、約8ヶ月ぶりとなる。そして、フル代表の指揮官を兼任した森保監督のもとで、昨年9月に船出した新生日本代表の主力を担ってきた21歳の堂安に至っては、U-22代表で初めてプレーすることになる。 左ハムストリングを負傷し、戦線を離れている21歳のDF冨安健洋(ボローニャ)が万全な状態ならば、今回は間違いなくフル代表を回避してU-22代表に回っていた。兼任監督のメリットを生かすかたちで、東京五輪世代の有望株をあえてフル代表に招集。世代交代と個の力のレベルアップを促してきた森保監督が、五輪本番まで8ヶ月あまりとなった段階で融合へと舵を切った。 もっとも、なぜ今回なのか。森保監督は「決してアジア予選を軽視しているわけではない」と断りを入れたうえで、堂安らを欠いた陣容でキルギス戦へ臨む決断をくだした理由をこう説明している。 「来年の東京五輪までの期間で、フル代表に呼んでいる東京五輪世代の選手を、いつ融合させるかというタイミングを常に見ながら活動してきました。目の前の勝利とチームの発展やチーム作りのバランスを考えてやってきたなかで、今回は融合できるタイミングかなという選択のもとで、けが人を除いた、現時点でのU-22代表のベストメンバーで活動させてもらうことになりました」