トランプは大統領になったら中東での紛争を「金で解決」しようとしているらしいが、それは有効か
米国のドナルド・トランプ前大統領が2025年、ふたたび大統領になることが決まり、米国の外交政策の先行きに世界中が注目している。なかでもイスラエルとハマスのガザでの戦争には、バイデン政権も停戦交渉に直接関わってきただけに、政権交代がどう影響するのか気になるところだ。 【画像】ガザ地区の避難所で「クルアーン」を読む女性 カタールメディア「アルジャジーラ」は、「トランプ2.0は米国の外交政策にとって何を意味するのか」と題した解説記事のなかで、この戦争をトランプ大統領がどうさばくのか識者に予測を聞いている。 米シンクタンク「国際政治センター」の代表ナンシー・オケイルは、トランプが中東での紛争を「金で解決」できると多分に思っているとアルジャジーラに語る。 だが、それは解決につながっていないし、むしろ米国はイスラエルに武器を供給し続け、外交的にもバックアップして、この戦争の激化に荷担さえしてきたではないかとの批判的な声もアルジャジーラは紹介している。オケイルは、こうした現状について、以下のように指摘する。 「ルールに基づいた世界秩序と、米国内法および国際法の維持はすでに破綻しているとわれわれは見ています」 トランプ前政権を特徴づけていたのは彼の予測不能性だったともオケイルは述べる。その不安定さがホワイトハウスでもう4年続くということは、深刻な問題をはらんでいると──。 中東での紛争はすでに「一触即発」だというオケイルは、トランプ政権が「事態を激化して暴発させるかもしれない」と警告を発している。
COURRiER Japon