なぜ遠藤航はチャンスを掴めるのか ユース時代の盟友が明かすピッチ外でも感じた「効率主義者」ぶり【コラム】
盟友・岡﨑亮平が見た遠藤航は「自分にできることを粛々とやる」
日本代表MF遠藤航は、世界的ビッグクラブのイングランド1部リバプールに移籍した2023-24シーズン、アンカーのファーストオプションとして活躍した。18歳の頃からプロの世界でレギュラーを務め、チームの中心を担ってきた男は、若き日に切磋琢磨した同期の目にはどのように映っていたのか。同じ湘南ベルマーレのユース出身であるDF岡﨑亮平(ブラウブリッツ秋田)を直撃した。(取材・文=隈元大吾) 【写真】「かわいすぎる」 日本代表MFの美人妻がイギリスを満喫する様子 ◇ ◇ ◇ 出会いは中学3年の頃にさかのぼる。 湘南ベルマーレのジュニアユースに所属していた岡﨑亮平は、「凄い中学生を取るらしい」と耳にした。遠藤航のことだった。どうやら練習試合でインパクトを残したらしい。自身は帯同していなかったが、その後、チームメイトの話題をさらった同い年の中学生は、練習にも参加し、揃って湘南ユースに昇格した。 ユースに上がると、2人は当時チームを指揮していた曺貴裁監督(現京都サンガF.C.監督)の下でさっそくリーグ戦に出場した。 岡﨑は振り返る。 「俺と航は高1の時から使ってもらいました。でも、1年生からしたら3年生は体格も違うし、化け物みたいなもの。とにかく必死でした。そのなかで航は同級生だし、2人ともセンターバックでポジションが一緒だったのもあって、支えというか、お互い頑張ろうな、みたいな感覚だった」 湘南ユースは当時、U-18プリンスリーグ関東1部に所属していた。強豪揃いのリーグにあって、チームの勝利は遠かった。 「毎試合ボコボコにされるような感じで、ほぼ全敗だったんです。ずっと使ってもらっていたけど、きついなって思うことも正直ありました」 かたや、友の胸中は測りかねた。 「負けて何も思っていないわけはないけど、航は表に出すタイプでは全くない。プライベートでは結構しゃべるし、みんな仲が良くてユースの絆は深かった。でも負けたり、自分の出来が良くなかったりした時は、みんなでしゃべっていても輪には入らずに、1人になりたい様子だった。自分に集中して気持ちを整理していたのかもしれないですね。アイツがその時どう思っていたかは分からないけど、そんななかでも無理して背伸びしてプレーするのではなく、自分にできることを粛々とやっているように俺には見えました」