【たった4店舗】“普通の王将”で満足できない人がハマる「おしゃれ王将」の正体とは
現在、国内に4店舗のみ存在する「GYOZA OHSHO」をご存じだろうか。「餃子の王将」(王将フードサービス)の別業態なのだが、内装が洒落ていて、ドリンクメニューにはモヒートなどのカクテルもある。若い女性がターゲットなのかと思いきや、意外に男性やファミリーにも受け入れられているようだ。ここ数年、王将は数度の値上げでも好調が続くと伝えられている。客単価がより高いと想定される「GYOZA OHSHO」の人気はどんなものだろう。実際に店舗を回ってみた。(フリーライター 鎌田和歌) ● つまみながら飲める長居しやすい王将 「GYOZA OHSHO」の正体とは? 先日、東京・有楽町のガード下にある「GYOZA OHSHO 有楽町国際フォーラム口店」で飲んでいると、横に座っていた男性の2人客が感動したように「餃子の王将にこういう店があるのを初めて知った」「ここでいくらでも飲める」と話していた。 アルファベット王将、オシャレ王将などと呼ぶ人もいる「GYOZA OHSHO」は現在国内に4店舗ある。内装が白と黒を基調に統一されており、店舗によっては吊るし照明などもある。王将とは思えないスタイリッシュな雰囲気で、カウンター席はちょっとしたバーのようにも見える。 雰囲気からして若い女性やカップルをターゲットにしたと思いきや、男性の1人~複数客や、ファミリーも多くいると感じられる。女性も入りやすい全世代向け王将というか、中華料理屋をファミレスっぽく仕上げた雰囲気がある。また、これは筆者が酒好きだからそう思うのかもしれないが、つまみながら飲みやすい雰囲気があるのは断然「GYOZA OHSHO」だ。
「餃子の王将」は、ラーメンと餃子、あるいは炒飯など、食事を済ませる場所という印象が強いが、「GYOZA OHSHO」は、からあげや餃子をつまみながら酒を飲んでいる人が少なくない。 フードメニューは店舗によって多少異なるのだが、例えば有楽町フォーラム口店では、「くらげと白菜の酢漬け」(528円/税込、以下同じ)、「中華風ポテトサラダ」(同)、「腸詰め」(638円)などがあり、いかにも酒のつまみである。 生ビールの価格こそ「餃子の王将」よりも100円ほど高めに設定されているが、フードメニューについてはメインである餃子が同じ価格設定となっているなど、割高感は薄い。 ● 関東では餃子一皿340円超え 王将が強気の価格改定を続けるワケ 王将はコロナ禍以降、何度か価格改定を行い、今年の6月にも定番メニューの値上げを行った。これにより、餃子一皿(6個)の価格が地域によって297円から319円(西日本)、319円から341円(東日本)となった。 強気の価格改定は、これまでの値上げで客足が鈍らなかったことがあるのだろう。2024年5月の時点では「売上高が2年連続で過去最高を更新」「創業以来初めて売上高が1000億円を超えた」と伝えられており、少なくとも昨年までの値上げでは客足が減ることがなかったようだ。 個人的には、このクオリティの餃子が300円代前半で食べられるのはありがたい。しかし300円代後半となったらどうだろう。やや悲しいと同時に、ひとつの時代の終わりを感じるかもしれない。