25年のドル、堅調スタート後にリスクの壁に直面か-MLIV調査
米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、投機的な投資家は大統領選以降、ドルのロングポジションを拡大。19日時点のドル強気ポジションは約233億ドル(約3兆5800億円)と、6月以来の水準に膨らんでいる。
ピーク予想
米株式相場よりも先にドルがピークを迎えると予想する回答は約55%と、過半数を占めた。また、回答者の半数以上は、今後1カ月間にS&P500種株価指数への投資エクスポージャーを維持する計画だと述べた。
向こう数カ月間に予想されるリスク要因の多くが強弱両面の要素を持つことから、ドルを取り巻く環境が複雑になっている。例えば、成長を阻害する高い関税や利回り上昇につながり得るインフレをあおる政策などは、潜在的なドル高要因とも捉えられている。
オールスプリングのグローバル債券チームで金利および為替部門の責任者を務めるローレン・ファンビリヨン氏は、具体的なトランプ氏政策の最終的な形に対して、外国為替市場がどのように反応するかを見極めるには時間を要すると指摘した。
つまり、トランプ氏の経済政策アジェンダを巡る不透明感を踏まえると、トレーダーの間では、次期政権下で外為市場が乱高下するとの見方が広がりやすく、ボラティリティーが高止まりする可能性があることを意味する。
ファンビリヨン氏は、「ドル高が行き過ぎかという点においては、まだその域には達していないとみている」と説明。その上で、「来年にかけてドルは上下両方行に進む可能性がある」とし、「市場は短期的なリスクを分析することにかけては非常に優れているものの、長期的には実のところ不透明な状態にある」と語った。
原題:Dollar’s Year-End Strength to Give Way to Murky 2025: MLIV Pulse(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Carter Johnson