突然地方の店舗に「左遷」されました。必死に働いてきましたが、左遷を断ると「今後の仕事」に影響しますか…?
突然の地方への転勤、このような辞令は断ってもいいのか気になる人もいるでしょう。たとえ断れたとしても、辞令を断ったことが今後の仕事に影響しないかと不安は尽きません。そこで今回は、突然の転勤を断っても問題がないのかを解説します。
転勤はルールによって断れることもある
転勤のルールは、勤務規則によって断れる場合と断れない場合がありますが、基本的には断れない場合が多い傾向です。多くの会社の就業規則には「会社は従業員に転勤を命ずることができる」と記載があります。そのため、まずは就職時に結んだ就業規則を読み返してみましょう。 ■就業規則で記載されていなければ断れる可能性が高い まず、もともと就業規則に転勤の記載がなければ、断れる可能性があります。しかし、その場合はなぜ転勤ができないか、正当な理由を会社に説明しなければなりません。 ■就業規則にルールの記載がある場合は断れない可能性が高い 原則として会社は労働者に対し、転勤を命じる権利を持っています。 例として、厚生労働省 大阪労働局の「よくあるご質問(配置転換等)Q2」では、以下の条件を満たしていれば、原則として特別な理由がない限り転勤命令を拒否することはできないと明記しています。 1.就業規則などに転勤を命じている場合があることを明記していること。 2.業務上の必要性があること 特に、大企業の場合などは勤務地が多数あり、採用面接などで転勤の可能性を聞かされていたり、初めから転勤の可能性がある勤務地の記載があったりした場合は断るのは難しいでしょう。しかし、就業時にはなかった勤務地への転勤であったり、最初の就業規則に転勤先の具体的な記載がなかったりした場合は、断れることもあるようです。
転勤を断ることで起こるリスク
会社によって転勤を断った場合に起きるリスクはさまざまですが、可能性として高いものを2つ紹介します。 ■昇格や昇給がストップする 地方への転勤を断った場合、昇格・昇給がストップしたり、他の人と比べて遅くなったりするかもしれません。特に、就業規則に転勤の記載がある場合は、転勤も昇進・昇給の条件に含まれている可能性があり、条件を満たせないことを理由に昇進・昇給が見送られることも考えられるでしょう。 しかし、会社によっては転勤の代わりに一定期間の研修などの代替案を提示し、研修への参加が可能であれば、転勤を断っても昇給や昇進に影響が出ない可能性もあります。 ■同僚との差がつく 転勤を断ったために、同じ時期に入社した同僚と昇進や昇給の差がつく可能性はあります。転勤をして戻ってくるタイミングで昇進という会社も少なくないため、戻ってきた同僚がいつの間にか上司になった、ということは十分ありえるでしょう。