大谷翔平、3度目の満票MVP「素直にうれしい」…圧倒的な打力と走力・イチローの「予言」が現実に
【ロサンゼルス=帯津智昭】米大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)が21日(日本時間22日)、ナショナル・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれた。アメリカン・リーグのエンゼルスでプレーした2021、23年に続き、2年連続3度目のMVPとなった。シーズンを通して主に指名打者として出場した選手で初めて受賞した。 【写真】めちゃくちゃカワイイ…デコピンとのハイタッチ姿
過去2回と同様、投票権を持つ全米野球記者協会の記者30人全員が1位票を投じる「満票」での選出。3度目の満票は史上初となった。ア、ナ両リーグでの受賞は1966年以来58年ぶり2人目で、異なるリーグでの2年連続は初めて。3度目のMVPは歴代2位タイで12人目。
打者に専念した今季、大谷は54本塁打、130打点で2年連続の本塁打王と日本人初の打点王の2冠に輝き、打率3割1分はリーグ2位。59盗塁もマークして、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成した。
ア・リーグはヤンキースのアーロン・ジャッジ(32)が2年ぶり2度目のMVPに輝いた。
野球人生の黄金期
3度目の満票でのMVP受賞となり、大谷は電話記者会見で「素晴らしい選手がいる中で、これだけ評価してもらったというのは本当に素直にうれしい。自分自身の今後の励みにもなる」と喜びを語った。
過去2度のMVPとの大きな違いは、ベーブ・ルースと比べられた投打の二刀流ではなく、「打」のみで受賞したことだ。守備面の貢献がなくても、MVPに値する圧倒的な打力と走力を評価された。
2001年に日本人初のリーグMVPを受賞したイチローさん(51)は、5年前の引退記者会見で大谷の将来について話していた。「投手として20勝するシーズンがあって、その翌年に(本塁打を)50本打ってMVPを取ったら、バケモンですよね。でも、それは想像できなくもない」――。
この「予言」を実現するように、投手として22年に15勝、23年に10勝を挙げた大谷。今季は自己最多の54本塁打を放ち、イチローさんの日本人最多記録を超える59盗塁をマークした。ドジャースに移籍して1年目で自身初のワールドシリーズ制覇も成し遂げ、「ほぼ満点に近い結果だった」。まさに野球人生の黄金期だろう。(帯津智昭)