韓国ウォンが対ドルで上げ消す、韓国与党代表は辞意表明
(ブルームバーグ): 韓国の尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案が14日、国会本会議で可決されたのを受け、16日の外国為替市場で通貨ウォンが対ドルで一時0.5%上昇したが、その後伸び悩んでいる。
ウォンは前週末比ほぼ変わらずの1ドル=1436ウォン。一時は1428.90ウォンを付けた。
尹大統領による今月3日夜の「非常戒厳」宣布と翌朝の解除は市場を驚かせ、ウォンは対ドルで2009年以来の安値に沈んでいた。13日終値は1ドル=1435.45ウォンだった。
メリッツ・セキュリティーズのエコノミスト、パク・スヨン氏は、採決に向かうまでの新たな流れを考慮すると、外為市場では尹大統領弾劾の可能性が事前に織り込まれていたのだろうと指摘した。
与党「国民の力」の韓東勲代表は16日、辞意を表明し、非常戒厳宣布による国民の苦痛に対して謝罪。尹大統領の弾劾よりも良い方策を見つけようと最善を尽くしたが、「結局は失敗した」と記者会見で述べた。
韓国株式市場はすでに、戒厳令騒動を発端とした下落の大部分を帳消しにしている。尹大統領の罷免が濃厚になる中、韓国総合株価指数(KOSPI)は先週2.7%上昇した。
16日の韓国市場の動きは、終幕したかに見える政治劇がまだ決着には至っていない中で、投資家の信頼感の戻り具合を示唆するだろう。弾劾は今後、憲法裁判所が妥当性を審査し180日以内に決定を下す必要がある。裁判所が妥当と判断しない場合は大統領を復職させる可能性もある。弾劾が承認されれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が行われる。
韓国銀行(中央銀行)は15日、金融市場の安定に注力する考えを表明。採決結果を受けて市場のボラティリティー(変動性)が低下するとの見通しを示した。
金融当局は16日、市場を24時間監視し続けると改めて表明。証券取引所は相場波乱の可能性を管理すべく委員会を設置すると発表した。
原題:Korean Won Erases Gains Spurred by President Yoon’s Impeachment、Korea Ruling Party’s Han to Step Down After Yoon Impeachment (1)、South Korean Won Opens Higher After President Yoon’s Impeachment、Korean Won, Stocks Take Spotlight After Impeachment Vote (抜粋)
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Youkyung Lee, Hooyeon Kim