7年ぶりのフルチェンでプラグインハイブリッドが超絶進化! 6代目メルセデス・ベンツEクラスは電気で100km以上走る!!
今年1月にニッポン市場に上陸したメルセデス・ベンツの新型Eクラス。世界累計販売1600万台超を誇るこのモデルはどこがどう変わったのか? 見どころはどこか? 自動車研究家の山本シンヤ氏がメガ盛り解説する。 【写真】メルセデス・ベンツ「E350eスポーツエディションスター」の細部 * * * ■メルセデス・ベンツの〝ハイブリッド〟 山本 今回は千葉県の公道でメルセデス・ベンツの新型Eクラスを試乗してきました。 ――そもそもの話ですが、メルセデス・ベンツの販売状況ってどんな感じなんスか? 山本 昨年のメルセデス・ベンツの世界新車販売台数は約249万台です。気になる日本市場ですが、JAIA(日本自動車輸入組合)によると、5万1228台をマークし、9年連続で輸入車トップに輝いています。 内訳に目を向けると、メルセデスの高級ブランドであるマイバッハは過去最高の600台、スポーツブランドのAMGも9000台と絶好調でした。 ――へぇー! 山本 そんなメルセデス・ベンツが今年1月、日本市場に投入したのが、約7年ぶりにフルモデルチェンジを受けた6代目Eクラスです。 ――Eクラスの歴史は? 山本 古くは「ミディアムクラス」の名称で発売されていましたが、Eクラスとしては1993年からです。初代はW124型と呼ばれ、〝オーバークオリティ(過剰設計)時代最後のメルセデス〟としても有名です。その最新型となる今回の6代目はセダンとステーションワゴンが同時デビューとなりました。 ――パワートレインは? 山本 ハイブリッドです。 ――メルセデス・ベンツのハイブリッド! 確か2030年までに全車をEVにすると宣言していませんでしたか? 山本 実はそのメルセデス・ベンツの公式アナウンスは、「市場が許せば」という注釈付きだったんです。ところが、それをEV推しメディアが都合よく切り取って報道したのがひとり歩きしてしまった。 ――なるほど。 山本 今年2月に開かれた決算会見でメルセデス・ベンツは、昨今の市場の動向を踏まえ、30年までの全車EV化を撤回しました。正確には撤回ではなく、前述のとおり市場がまだ許さなかったという話ですが。 ――とはいえ、ここ数年でメルセデス・ベンツは数多くのEVモデルを発表しているのも事実です。 山本 EQシリーズですね。この上級モデルは内燃機関搭載モデルとは別仕立てのプラットフォームで、EV専用です。ちなみにライバルのBMWはひとつのプラットフォームでマルチなパワートレイン展開を行なっており、両社の戦略の違いが見えます。