アウディが新ブランド「AUDI」立ち上げ 中国向けEV専門 先進的なステーションワゴン、2025年発売へ
4リングス廃止 若者をターゲットに
アウディは、長年のパートナーである上海汽車(SAIC)との合弁事業拡大の一環として、中国におけるEV専門の新ブランド「AUDI」を立ち上げた。 【写真】アウディの「新しさ」満載! 印象的な新型EV【AUDI Eコンセプトを写真で見る】 (9枚) 伝統的な4リングスのエンブレムではなく、大文字アルファベットのブランド名を掲げ、中国の若いテック志向のEV購入者をターゲットとしている。その第1弾となるのが、電動ステーションワゴンの「E」コンセプトだ。 2025年に生産開始が予定されているEを筆頭に、2026年と2027年にはセダンとSUV、計3車種が中国で導入予定だ。 AUDIブランドは、アウディのデザインと技術力を、中国企業SAICのスピード感や市場のノウハウと組み合わせることを目的としている。 重要なのは、Eがわずか18か月で開発されたことで、これは従来のアウディモデルの半分以下の期間である。 アウディのゲルノット・デルナー最高経営責任者(CEO)は、アウディとSAICのパートナーシップが「中国専用となる新世代の先進的かつインテリジェントな自動車」の基盤となることを強調した。 「この共同プラットフォームにより、我々は最先端のコネクテッドカーで、将来性がありながらも要求の厳しいセグメントに対応することができる」とデルナーCEOは語った。 Eは従来のエンブレムを廃するなど、デザインとブランディングの両面で新たな方向性を示している。 全長4870mm、全幅1990mm、全高1460mmと、新型アウディA5アバントより一回り大きいが、ホイールベースが長い(2950mm)ため、より広い室内空間と高い居住性を実現しているという。 大胆なLEDライトデザインと、クリーンでほとんど装飾のない表面仕上げを組み合わせ、従来のモデルよりも一体感のある外観を成している。 アウディとSAICが開発した新しい「アドバンスト・デジタライズ・プラットフォーム」をベースに、800V電気アーキテクチャーとツインモーター・ドライブトレインを採用し、合計出力775ps、最大トルク81.5kg-mを発生する。クワトロ四輪駆動システムとトルクベクタリング機能により、0-100km/h加速3.6秒を誇る。 また、100kWhのバッテリーを搭載し、中国CLTCテストサイクルで700km以上の航続距離を謳う。 充電速度の詳細はまだ明らかにされていないが、高出力DC充電器を使えば10分間で300kmの電気エネルギーを蓄えることができるという。 Eの市販バージョンでは、四輪操舵システムとエアサスペンションが採用される予定だ。 インテリアでは、曲面タッチスクリーンを備え、前後独立シートの4人乗りとなっている。まだ、天然繊維とウッドトリムが組み合わされるなど、ブランドの位置づけを反映して高級感を演出している。
グレッグ・ケーブル(執筆) 林汰久也(翻訳)