「匿流」対策を強化へ…長崎県警がプロジェクトチーム発足 闇バイト応募、県内も複数
交流サイト(SNS)でつながる「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による事件が全国で相次いでいることを受け、長崎県警が「重点治安対策プロジェクトチーム(PT)」を立ち上げ、対策強化に乗り出した。今年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数(10月末現在)は138件で被害総額は約8億5千万円。いずれも昨年1年間の約3・5倍で推移している。 県警組織犯罪対策課によると、SNS型投資・ロマンス詐欺の多くが匿流による犯罪とみられる。SNSで募る「闇バイト」に応募した人も複数確認しているという。首都圏で相次ぐ強盗事件は発生していない。 犯行で得た資金は別の犯行に充てたり、暴力団に上納して共謀したりする実態もあり、対応が急務。だが、今年のSNS型投資・ロマンス詐欺の摘発数は2件で捜査は難航している。 PTは▽刑事部▽生活安全部▽交通部▽警備部▽地域部-の5部門13課で構成。定期的に会議を開き、グループの実態や現状、対策などについて横断的に情報を共有して摘発につなげる。 匿流は主にSNSで実行役の闇バイトを募集し、秘匿性の高いアプリ「テレグラム」などで連絡を取り合い犯行に及ぶ。窃盗や薬物事犯など内容はさまざまだが、7月公表の警察白書によると、今年4~5月に全国で摘発した人数(暫定値)は508人。半数以上の289人が詐欺だった。 県警は「お金に関するうまい話は全て詐欺。絶対に信じないように」と注意を呼びかけ、闇バイトに関しては「犯罪を実行しなければ、まだ引き返せる。『関わってしまった』など困ったことがあれば迷わず警察に相談を」と呼びかけている。相談は警察相談専用電話「#9110」か110番、最寄りの警察署まで。