「毎日ファッション大賞」受賞の三原康裕デザイナー 「最初は受賞を断ろうと思っていた」
毎日新聞社はこのほど、「第42回毎日ファッション大賞」の授賞式を開催した。大賞には「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」の三原康裕デザイナーを、新人賞・資生堂奨励賞には「ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)」の村田晴信デザイナーを選出した。また、ファッション業界の発展に貢献した人や団体に向けた鯨岡阿美子賞を、日本ファッション・ウィーク推進機構(JAPAN FASION WEEK ORGANIZATION以下、JFWO)の三宅正彦前理事長に贈った。三宅前理事長はTSIホールディングスの名誉顧問も務めている。ファッション文化に貢献し、社会的インパクトを与えた人や団体に対する話題賞は、今年は該当なし。 【画像】「毎日ファッション大賞」受賞の三原康裕デザイナー 「最初は受賞を断ろうと思っていた」
大賞の三原デザイナーは受賞に際し、「これまで当たり前のことをしてきただけで、大それたことは何もないから、最初は断ろうと思っていた」と明かしつつも、「靴作りを始めた多摩美術大学生の頃は、周りから変人扱いをされていたが、自分のことを支え続けてくれる人もいて、ブランドを始めることができた。お世話になった人にお礼を言う機会にもなるから、今回この賞を受け取ることにした」とコメント。「実はあと少しで『メゾン ミハラヤスヒロ』は30周年。その後も40年、50年と続くか分からないが、よろしくお願いします」と結んだ。また、鯨岡阿美子賞の三宅前理事長は、「丸紅に入社して以来、ずっとファッション産業に関わってきた」とこれまでを振り返る。三宅前理事長はかつてサンエー・インターナショナルのトップとして東京スタイルの経営統合を実現。現在も名誉顧問を務めるTSIホールディングスの経営に大きな足跡を残し、2011年にJFWOの理事長に就任した。「今年6月にJFWOの理事長を退任したが、今後も応援していきたい」と意気込んだ。
新人賞・資生堂奨励賞の村田デザイナーは、「原点は自分の祖母のおしゃれな姿や美意識。それを取り入れるものとして『ハルノブムラタ』を立ち上げた。ブランドを始めてから5年が経ったが、積み上げてきたものが今身を結んだ実感がある」と感慨に浸った様子で、「『毎日ファッション大賞』の歴史に名を刻めた責任を感じている。イタリアで学んだことと日本の美意識を融合して、新しいラグジュアリーブランドに成長させ、さらにグローバル展開をしたい」と話した。授賞式後は、「毎日ファッション大賞」恒例の、新人賞受賞デザイナーによるプレゼンテーションを実施。村田デザイナーは、ファッション専門学校卒業後に参加し、特選を獲得した「神戸ファッションコンテスト」に出品したルックや、最新の25年春夏コレクション、24-25年秋冬コレクションなどの一部を並べ、資生堂のヘアメイクサポートの元にランウエイショーを披露した。