2025年販売開始のミニカー「Lean3」に初試乗。超小型EVは次世代モビリティのエースになれるのか!?
ミニカーカテゴリーのEVがこれから続々デビュー
トヨタ出身のエンジニアが作ったミニカーカテゴリーに属する超小型EVの「Lean3(リーンスリー)」。その試乗会が羽田空港の近く、「羽田イノベーションシティ」で開催された。限られたスペースでの短時間の試乗ではあったが、そのポテンシャルの高さは十分に感じられた。 【写真】超小型EV「リーンスリー」をもっと見る 2025年にちょっとしたブームになりそうなモビリティが、ミニカーカテゴリーに属する超小型EVだ。現在、多くのメーカーが開発を進めており、どこも2025年には市販するとしている。そうした中でもとくに注目されているのが、ここで紹介するLean Mobility社による「Lean3(リーンスリー)」だ。 なぜ注目されているかと言うと、同社はトヨタ自動車出身のエンジニアが立ち上げたということが大きい。社長を務める谷中壯弘氏がその人で、トヨタではC+podやC+walkなどの超小型モビリティを担当していた。当然のことながらその知見は幅広く、技術的なことはもちろん、グローバルなマーケット動向についても詳しい。 実際にリーンスリーは世界展開が予定されている。2030年にはトータル10万台の販売目標を掲げているが、その内訳は欧州で5割、台湾で3~4割、日本で1~2割ということだ。台湾が多いのはそもそもLean Mobility社は台湾企業と合弁のベンチャーであるからで、生産拠点も台湾になることが先日、正式決定している。 台湾ではすでに注目度は絶大なようで60分のTV番組で紹介されたという。約2300万人の人口で乗用車が800万台、バイクが1400万台使われている台湾では、リーンスリーのような超小型モビリティのニーズはかなり高いそうだ。また欧州ではフランス、イタリア、スペインがメインマーケットになると見込んでいる。
軽自動車未満、バイク以上のニーズはあるはず
さて、日本では2030年に年間1~2万台が販売目標となるが、最大のセールスポイントは低価格であることだろう。コンパクトで比較的お手頃なEVとしては日産サクラと三菱eKクロスEVがあるが、車両価格は約260万円からの設定だ。補助金があるとは言え、リーンスリーの90万円前後(バッテリーはサブスク[月々3000~4000円]の場合)にはとてもかなわない。またランニングコストもリーンスリーの方がかなり少なく済む。 このコストの違いはカテゴリーが違うので当然と言えばそのとおりだが、軽自動車までは必要ないが、バイクでは雨の日などは厳しい。バイクよりは荷物をたくさん積みたいなどというニーズはあるはずだ。軽EVよりもっと安く手軽に乗ることができるモビリティの需要はかなりあるのではないかと想像できる。 ではエンジン車の軽自動車でよいではないかという考えもあるかも知れない。しかし、現在、地方でガソリンスタンドは減少の一途だ。日々の通勤や買い物に使うなら自宅での充電だけで済むというのはEVの大きなメリットだ。また都市部で自宅に広い駐車スペースを確保できない場合などでもミニカーカテゴリーのメリットはあるだろう。