人と毎日話す高齢者9割→7割 コロナ禍経て減少 一人暮らしに顕著
65歳以上の高齢者のうち、ほかの人と毎日会話をする人は9割から7割に減少――。そんな実態が内閣府の調査で明らかになった。今後も一人暮らしの高齢者の増加が見込まれ、孤独・孤立問題への対策が急がれる。 調査は21日に閣議決定された「高齢社会白書」に盛り込まれた。人と会話する頻度(電話や電子メールなども含む)が「毎日」と答えた高齢者は、2018年の90.2%が23年は72.5%に減少。一方、「2~3日に1回」とした人は5.4%から13.1%に、「1週間に1回」とした人は1.6%から6.7%に増えた。 さらに、23年調査の結果を、一人暮らしとそれ以外の人で比べたところ、毎日人と話すと答えた高齢者は、同居人がいる場合には80.9%にのぼったが、一人暮らしだと38.9%にとどまった。独居のケースで、より会話の機会が少ないことが判明した。 また、親しい友人や仲間の有無を尋ねた質問では、「たくさんいる」とした人が24.7%から7.8%に、「普通にいる」とした人が47.5%から39.0%にそれぞれ減少した。 白書では「望まない孤独・孤立に陥らないようにするための対策の推進が必要」と指摘。内閣府の担当者は、会話の機会や親しい友人が大きく減ったことについて、「調査では理由まで明らかになっていないが、コロナ禍による接触制限が影響した可能性がある」と分析する。
朝日新聞社