都議会改革検討委 自民吉原氏に聞く「仕事は幅広い。公用車は一定数必要」
打ち合わせ会を非公開 ── 議会運営委員会で定めたこと
●会合の公開・非公開について ── 会合はこれまで、非公開の打ち合わせ会が6回、公開の委員会が4回開かれました。非公開の会合が含まれることに対する自民党会派の立場を教えてください。 議会改革検討委員会の設置要項は、議会運営委員会で定められたものです。そこには、打ち合わせ会を置くことと、打ち合わせ会は非公開とすることが明記されています。 この設置要項に基づいて委員会が設置されて議論がスタートした、ということなので、各会派とも設置要項を理解した上で参加しているはずです。検討委員会で行われる議論の中で、打ち合わせ会を公開すべきだという意見を耳にすることがありますが、これはこの委員会で議論することではなく、まず(設置要項を定めた)議会運営委員会の場で議論するのが筋ではないでしょうか。
議論を尽くした結果が議会改革につながってきた
●各会派の合意を求める議決ルールについて ── 「各会派の合意が最大限得られるよう真摯に議論を尽くす」という議決ルールに対する自民党会派の立場を教えてください。 基本的には、議会改革なので、会派、政党を問わず一人ひとりの議員の活動に関わることだと思うんです。それはできるだけ127名のみなさん全員が理解し、そのことをしっかりと情報公開、あるいは真摯に受け止めたなかで、活動できる環境づくりが必要だと思っています。 その意味で、各会派の合意が最大限得られるようにそれぞれの会派の代表が議論を尽くしてきたということですので、議会運営委員会で定めた設置要項にしたがって議論をこれまでもしてきた結果が、政務活動費の改正だったり、議員公用車の利用見直しの方法であったり、そうした議会改革につながってきたのだと思います。 ──「各会派の合意が最大限得られるよう」というルールは必要ということですね。 その方が、(議会改革は)主義主張にかかわるものではないと思っていますから。もし会派の意見が違ったら、身を切る改革は前に進みません。やっぱり大勢のみなさんがお互いに歩み寄りをした中で、議会ルールというものをね。そうすべきだと思いますよ。 検討項目をまとめていかないといけませんから、互いに譲れるところ、譲れないところいろいろあるかもしれませんが、それぞれのみなさんが歩み寄ることによって、議会改革っていうものは前に進んでいくものだと思います。要するに、共通認識をみなさんが持つことが私は大切だと思っています。 委員会の中で、基本的なものも含めて、各会派の代表者を含めて、議員のみなさんが認識を一定に持つような環境をつくるべきだと言ってきました。その中で、東京大学名誉教授の大森彌先生に来ていただき、地方議会のあり方についてヒアリングをし、また質疑応答も各会派からしました。そうした基本的なことの認識を127名(の都議)が持つべきだと思ってやってきたんです。その上で、政務活動費、議員公用車、議会改革にかかわることを議論すべきだと主張してきました。 ── このルールのために、議論のスピードが遅くなりませんか。 議会改革においてスピード感が必要だということは否定しませんが、それよりも大切なことは、その期の議員だけではなくて、次の期にも継続することですから、各会派間で議論を尽くして、議会改革をしていくことが大切だと思いますよ。 ●来年取り組むべきテーマ ── 来年真っ先に取り組むべきことは何でしょうか。 本会議、委員会、この中での速記、あるいはテープを録ってもらっていますが、議事起こしはなるべく早い時間でやってもらいたい。その議論をひとつ、あげていきたいと思っています。議会局とも相談していますが、本会議の議事録、委員会議事録(の文字起こし)には相当日数がかかっているんです。これは都民サービスとして表に出しているので、ホームページに出していますから、それは早急にできるだけ時間短縮をする体制をつくる。これは予算を含めてやっていくべきだと思っていますので、それは検討委員会の中できちっとしていかなければなりません。 それともう一つ、(知事が策定する)中長期的な行政計画については、やはり議会でしっかりチェックできる環境づくりが必要だと思っています。 【吉原修(よしわら・おさむ)】 代議士公設秘書、国務大臣秘書官。都議会都市整備委員長、都議会公営企業委員長、都議会自民党総務会長、都議会自民党幹事長、議会運営委員会委員長。62歳。町田市選出。都議5期目 (2017年12月13日取材・文:具志堅浩二)