【MotoGP第7戦イタリアGP】中上貴晶選手、エアロがアップデートされるも根本的な解決には至らず
マシンの状態に苦しむホンダ勢の状況は変わらず
中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)のマシンには、MotoGP第7戦となるイタリアGPで新しい空力デバイスが投入されました。これはフランスGP後に行なわれたプライベートテストで試され、チームメイトであるヨハン・ザルコ選手(カストロール・ホンダLCR)が前戦カタルーニャGPでアップデートしていたものです。中上選手はイタリアGPからこれを使用すると予定していたのでした。 【画像】2024年シーズンのMotoGPクラスに臨む中上選手を見る(7枚)
土曜日の午前中のセッションでは、テールカウルの空力デバイスを以前のもの、マシン前部の空力デバイスは新しいものという組み合わせで走行しています。これはグリップの改善を期待したものでしたが、中上選手によれば「大きな違いはなかった」そうです。レースウイークでも、様々な、そして細かな確認が行なわれていたようです。 新しい空力デバイスは、確かに形状は異なるものでした。これによってトップスピードについては良くなり、中上選手をはじめ、ザルコ選手なども認めています。ただ、従来の問題については変わらない、と中上選手は感じていました。 「ハンドリングの軽さはありましたが、相変わらず旋回性やリアのグリップはないですね。新しいエアロになっても、根本的には解決していないです」 そして、決勝レースでは12コーナーで転倒を喫するのです。このレースで転倒したのは、ホンダのジョアン・ミル選手(レプソル・ホンダ・チーム)と中上選手だけでした。 そもそも、中上選手は転倒が多くはないライダーです。レース後に話を聞いた転倒の原因、理由としては、最近の中上選手が語るものとほとんど同じ、「予期せぬ転倒」でした。 「日曜日のレースではよくあるんですが、昨日(土曜日)のスプリントと比べて、フロントのフィーリングが繊細になってしまったんです。グリップの低下が原因なのか……。僕たちのバイクには悪影響があったようです。転ぶ2周くらい前から(フロントの)切れ込みが大きくなっていたんですけど、12コーナーで転倒する感覚はなかったので、びっくりでしたね。切れ込みが始まってから、ほかのコーナーでは限界を超えないように気を付けてはいたんです」 「チームメイトのザルコの後ろを走っていて、全く同じ症状というか、苦しんでいる個所は同じ。コメントでも同じところを指摘しています」 完走したホンダライダーとしては、ザルコ選手が19位、ルカ・マリーニ選手(レプソル・ホンダ・チーム)が20位でした。「これが現実的な(ホンダの)ポジション」だと、中上選手は言うのです。