思い出される”黒田発言”、3戦未勝利の町田はこのまま転げ落ちるのか。本性が見える苦しい局面でどうなる?【コラム】
ついに緊張の糸が切れたか
ついに緊張の糸が切れたか。今季序盤戦からJ1リーグの優勝戦戦をリードしてきたFC町田ゼルビアが2024年10月5日のホームゲームで川崎フロンターレに1-4と完敗。J2リーグを戦った昨季を含め黒田剛体制下で初の連敗を喫し、しかも今季最多の4失点と結果も内容も最悪に近かった。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! 敗戦の翌日、首位のサンフレッチェ広島、2位のヴィッセル神戸が揃って勝利を収めた結果、町田(勝点59)は3位をキープしながらも広島(勝点65)に勝点6差、神戸(勝点64)に勝点5差をつけられてしまった。奇跡でも起こらないかぎり、勢いに乗る上位2チームをここから逆転するのは難しいだろう。 リーグ制覇を狙ううえで、このタイミングでのリーグ3戦未勝利はある意味致命傷だ。ここで思い出されるのは、黒田監督の言葉である。24年4月21日、FC東京に2-1と競り勝った後の会見で、指揮官は次のように発言した。 「去年(J2リーグで)連敗せずに優勝を手繰り寄せた経験から、『連敗すると一気に崖から転がり落ちる悲劇がある』ということを選手たちに伝えて向き合わせました。転がったら早いぞと。今は食らいつけば上にもいけるし、トップを狙えるポジションにいる。1試合、2試合で7、8位、気づいたら10位以下ということもあるし、毎節ごとに状況が変わることも選手たちに伝えました」 転がったら早い。その危機に直面しているのが、今の町田だろう。自分たちのサッカーはこのままでいいのか、選手間でそんな迷いが生じたとしても不思議はない。その意味で問われるのは、黒田監督のマネジメント力。ラスト5試合に向て、改めてチームをまとめられるか。 人間もそうだろう。苦しい時にこそ、その人の本性が見えてくる。サッカーチームも、人と人とのつながりでできているのだから、町田にとってここは本当に正念場だ。 「転がったら早い」 このまま転げ落ちれば、町田もその程度のチームということになる。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)