【ボクシング】那須川天心とアジア王座争うアシロ来日「勝つためにやってきた」現役大学生ボクサー
プロボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級2位ジェルウィン・アシロ(23=フィリピン)が8日、羽田着の航空便で来日した。14日、東京・有明アリーナで同級1位那須川天心(26=帝拳)と同級王座決定戦を控え、ロムニク・コイビア・トレーナー、コーディネーターのエリト・ビラモア氏、セコンドに入るWBO世界ライトフライ級3位レジー・スガノフ(26=フィリピン)の陣営4人で日本に到着した。アシロは「見ている人に好印象を与えるような、はっきりとした明確な勝利をしたい。私は勝つため、日本にやってきた。チャンピオンベルトを手にしたい」と強い意気込みを示した。 【写真】コイビア・トレーナーら陣営と来日したジェルウィン・アシロ 無敗の格闘家でWBA世界同級3位にランクされる那須川について「以前から有名な選手であることは知っていた。対戦が決まって試合を見るようになった。彼のスピードに警戒しているし、非常にボクシングがうまい。しかし負ける気はない。ベストを尽くす。私のテクニック、才能をリングの上でみせたい」と自信を示した。 母国ボホール州にあるPMIカレッジで税関管理コースを専攻している現役の大学3年生でもある。今年4月に初来日し、大阪に滞在して約1カ月間、那須川と同じサウスポーとなる現IBF世界同級王者西田凌佑(28=六島)のスパーリング相手を務めた。アシロは「西田選手は世界王者になった。私は西田選手から多く学んだ。これまでのサウスポーとも多く戦ってきたので、サウスポーとの試合は豊富にある」と自信を示した。 プロ戦績は9勝(4KO)無敗ながら、アマチュア経験は200試合以上と豊富。6歳からボクシングを始め、フィリピン王者に2度輝いている。愛称となるグラディエーター(剣闘士)は試合中継を担当した解説者から名付けられた。那須川戦に備え、計100ラウンドのスパーリングを消化。ウエートも練習前で123ポンド(約55・7キロ)とリミットまで約2・2キロまで迫っているアシロは「コンディションはとても良い。パンチはタイミングが大事。タイミングさえ合えば、どの自分のパンチでも強いと思う」と静かに闘志を燃やした。【藤中栄二】