オスプレイが厚木基地に飛来、東日本には初めて
アメリカ海兵隊が運用する新型輸送機MV-22型オスプレイ1機が15日午後3時25分ごろ、神奈川県の厚木基地に飛来しました。静岡県の海兵隊施設「キャンプ富士」に兵員を輸送することが目的で、東日本への飛来は初めてです。同機は同4時30分ごろ、キャンプ富士に向けて離陸しました。
今回飛来したオスプレイは、普天間基地に所属する海兵隊の第265中型ティルトローター飛行隊「ドラゴンズ」の機体1機です。同部隊は、東日本大震災時に「トモダチ作戦」にも参加。2012年9月にオスプレイへの機種転換が行われており、2013年11月にはフィリピン台風の救難ミッションも遂行しています。 オスプレイはヘリコプターの短距離離着陸性能と固定翼機の速度、航続距離を併せ持つ「ティルトローター機」と呼ばれる機体で、回転翼の向きを変えることで「ヘリコプターモード」と「固定翼航空機モード」を切り替えて飛行します。
防衛省の資料によると、オスプレイの最高速度は時速約520キロ、行動半径は約600キロとされています。この数値は海兵隊で運用されていた旧型の輸送ヘリコプターCH-46型よりも約2倍速く、約4倍の行動半径となり、離島防衛や救難といった任務がより効率的に行えるようになります。 しかし、日本では開発中および導入初期に多発した事故のイメージが先行しており、根強い反対意見が存在しています。15日も地域住民や労働組合を中心としたグループが厚木基地周辺で飛来に反対するデモ行進を行いました。 オスプレイは20日に札幌の丘珠空港で行われる航空ショー「札幌航空ページェント」に展示されるため、19日にも2機が東京都の横田基地を経由して札幌へ向かいます。