J復帰を否定した本田圭佑が移籍先を決める3つの流儀
最後の3つ目は、Jリーグ以外のオファーに対してオープンスタンスで臨むという点だ。実際、今年1月の移籍市場でも、アメリカや中国のクラブとの交渉が報じられた。本田は「皆さんもご存じと思いますが、冬もしっかりと検討したので」と認めたうえで、こう続けている。 「いまはあまり絞っていないですね。幅は広めに取っているというか、自分の頭のなかを柔軟にはしている。どんな話でもまずは聞いてみよう、という心構えではいます。割とのんびりと、移籍先をすべてテーブルのうえに乗せて選べれば、とは思っていますけどね」 ヨーロッパのシーズンも、残すはレアル・マドリード(スペイン)とユベントス(イタリア)が激突する、日本時間4日未明のUEFAチャンピオンズリーグ決勝だけとなった。各国のリーグ戦も終わり、ようやく移籍市場にビッグネームが登場してきた。 たとえば1日付けの英紙『THE Sun』は、チェルシーのベルギー代表MFエデン・アザールを、日本円にして143億円ものビッグマネーを投じてレアル・マドリードが獲得に動くと報じている。 「ビッグネームの選手がまず動き、次の中堅どころの選手も玉突きのように動いていく、というところでいえば、まだ何も動いていない。ビッグクラブがどれだけお金を使うかで、移籍市場が一気に動くか、そうじゃないかも見えてくるので」 6月末で3年半契約が満了する本田の移籍には、ミランに支払う違約金が発生しない。シーズン中の移籍をあえて見送ったのも、納得のいくオファーがなかったことに加えて、お金に縛られないフリーの状況で新天地へ移り、3度目のワールドカップとなる来年のロシア大会に備えたいからだ。 自らの存在価値を、本田は「ビッグネームの次くらいの中堅どころ」と位置づけている。モードを日本代表バージョンに切り替えながらも、これまでの経験から「今後1、2週間が大事になるかな」と、まるで第三者が楽しむような感覚で移籍市場の動向も注視している。 (文責・藤江直人/スポーツライター)