カップル誕生率高い「婚活列車」人気 幸せ求め出発進行
合コンやお見合いパーティーなどを利用して結婚相手を見つける「婚活」。最近は開催場所や参加条件などがバラエティに富み、趣味や好みにあったパーティーを選べるようになっている。そんな中、近鉄が企画している電車旅をからめた婚活ツアーが、じわじわと注目を集めている。なんと成約率が約4割だという。驚きの成約率を誇る婚活ツアー、その理由を探ってみた。
近鉄「婚活ツアーサポートチーム」の支え
近鉄では2009年から婚活ツアーを実施。回ごとに内容は異なるが、その多くが、駅に集合した参加者が同じ特急電車に乗り込って出発を共にする。 まず最初に車内では自己紹介タイムが始まる。その後は、目的の観光地での散策やパーティー会場でゲームや食事。行き帰りの車内ではフリートークが展開され、アンケートをもとにマッチングされた後、カップルが発表されるという仕組みになっている。 近鉄事業課の櫻谷さんは「一般のパーティーでは、気になる人がいてもなかなか話す機会がなかったりするのですが、こちらは特急電車を一両貸し切りなので、移動中に全員の方とお話しができます」と話す。また、「みなさん最初は緊張されていますが、電車旅という非日常が加わって、自然と親睦を深められている様子ですね」と続けた。 もう一つのポイントと言えるのが、婚活ツアーに帯同するスタッフだ。その力の入れ具合は相当なもので、近鉄の駅の中には「婚活ツアーサポートチーム」を結成しているところもあるという。添乗員や司会進行はもちろん、雰囲気づくりなども全面的にサポート。口下手な参加者には助け舟を出したり、ゲームを盛り上げたりと、鉄道会社の社員とは思えないほどのきめ細やかさを見せている。 これらが功を奏してか、2009年から2015年までの計45回の婚活ツアーで、カップル成立組数は「276組」を数える。これを全参加者784組で割ると35.2%で約4割の成約率にのぼるという。さらに近鉄が把握しているものだけで成婚・成約組数も16組と高い実績を残している。