活動休止のFANTASTIC◇CIRCUS「またねって言えないのがすごく寂しい」 ラストツアーを完走
ロックバンド、FANTASTIC◇CIRCUS(ファンタスティックサーカス)が14日、東京・EXシアター六本木で東名阪ツアーの最終公演を行った。平成のビジュアル系ブームの一角を担ったFANATIC◇CRISIS(ファナティッククライシス)の元メンバー3人が2022年から始動したが、今年はメンバー1人が体調不良で療養しているため、24年をもって活動休止する。この日は事実上のラストライブ。旧バンド時代を代表するアルバムの収録曲に焦点を当てた20曲で、活動約2年半の集大成を披露した。(小山理絵) 【写真3枚】活動休止前ラストツアーを完走したFANTASTIC◇CIRCUS クリスマスシーズンが到来して華やぐ週末の六本木。会場に、1999年に発売されたアルバム「THE.LOST.INNOCENT」の冒頭を飾る「006.9」のカウントダウンが流れ、暗転したステージにメンバーが姿を見せた。ボーカルの石月努はセンターに立ち、「東京、ファイナル」と第一声。ラストパーティーが始まった。 序盤から「火の鳥」や「Maybe true」と代表曲を立て続けに披露。黒のジャケットを脱いで早々と臨戦態勢に入った石月は「全身全霊でかかってきてくれよ。悔いが残らないように。楽しんでくれよ」と満員の客席をあおった。 ギターのkazuyaは白のロングジャケットの裾を翻し、華麗なターンを披露。15日に50歳を迎え、誕生日前夜のステージとなり、「40代最後にこんなにすてきな場所で、こんなにたくさんの人たちの前でライブができて本当に僕は幸せです」と笑顔を見せた。石月は「明日、50歳ですから。感慨深いですね。出会った頃の16歳と18歳ってイメージなので」と驚き、kazuyaも「びっくりしたよ。俺、50なんだ~」。石月が「立派なおじさんですよ」と続けると、kazuyaは「初めてのおじさんは、わりかし楽しいですよ」と返して笑いを誘った。 結成当時は10代だったメンバーが全員〝アラフィフ〟になった。石月は同じ年月を重ねて大人になったファンに向け、「30年の月日を超えて、こうやってまた皆さまと遊べているのが非常にありがたい。1人1人、お金や時間だけじゃなくて(仕事や生活など)いろいろ大変な中でここに来てくれていると思う。直接、あなたがた1人1人に歌っているつもりでいます」と穏やかな口調で呼びかけた。 FANTASTIC◇CIRCUSは、旧バンドの解散から17年後の2022年5月に初ライブ。「転生」と銘打った復活が話題になった。今年は再録ベスト盤第2弾の発売、インディーズ時代の曲のセルフカバーツアーに挑戦するなど充実期を迎えた一方で、2月からギターのSHUN.が体調不良のため療養中。石月とkazuyaは仲間の不在に苦悩したが、決まっていた年内のスケジュールを全うしてほしいというSHUN.の意向をくんで活動を続けてきた。