老後が快適になるように考えた、両親のためのリフォーム。
使い勝手とローコストを両立、オーダーメイドの棚付きキッチン。
シンクは、アイランド型キッチンではなく、普通のシステムキッチンの背面に手元を隠せる木製の棚を取り付けている。棚にはお茶を入れる時に使うものや、お盆などをセットして。2人用テーブルは、リビングのテーブルと同じ素材でネクストテーブルとしても使える。
将来のため、浴室との動線を考えてトイレのドアを2つに。
浴室の脱衣スペースとトイレの壁を取り外し、引き戸をつけた。「2つの方向から出入りできるトイレなら介護も楽になるそうです。また引き戸にしたことで、もし車椅子を使うようになっても出入りしやすくなります。これはケアマネジャーの仕事をしていた母からのアイデアでした」
窓の位置を下げると、視線を気にせず庭の景色が楽しめる。
住宅地にある一軒家なので、隣家からの視線も気になる。リフォームとともに整えた庭を眺めてほしいという願いを込め、あえて壁の下半分の位置に窓をつけて、外から家の中が見えないように。庭と部屋に一体感が生まれ、モダンなリビングに生まれ変わった。
撮影・小川朋央 イラストレーション・川合翔子 文・田村幸子
『クロワッサン』1112号より
クロワッサン オンライン