【何が】「京都のブランド農産物に汚点残した」京野菜“九条ねぎ”連続窃盗 捜査終結したが“未解決の事件”も 約2.3トン窃盗の背景には、まさかの「猛暑」
■九条ねぎ窃盗、再び… なぜ保釈? 怒る農家たち
先月、八幡市の畑で再び九条ねぎの窃盗事件が起きた。約150キロの九条ねぎを盗んだとして新たに逮捕されたのも、また“同業者”だった。窃盗の疑いで逮捕された35歳の農業経営者は、京都市内でねぎを栽培していた。警察の調べに対し、「身に覚えがない」と容疑を否認しているが、すでに身柄は解放されているという。また、久御山町で窃盗事件を起こした山本被告は容疑を認めているが、同様に保釈されている。 久御山町、そして八幡市でそれぞれ窃盗事件を起こしたとして逮捕された2人の男はすでに一般人と同じ暮らしを送っている。あるねぎ農家の男性は、「人の畑から散々ねぎを盗んで逮捕されたのにこんなにすぐに釈放するのはなぜなのか?そいつが二度と盗むことはないと断言できるのか?自分たちがまた盗まれるのかもしれないと不安に思った気持ちを全く考慮してくれていない」「窃盗事件を起こした犯人のせいで防犯カメラを買ったり余計な出費がかさんだ。行政が補助金を出してくれるとはいえ結局は農家にばかり負担がかかっている。それなのに犯人は釈放されてのうのうと生きているなんて許せない。もっと罪を重くするべきだ」など怒りの声を上げている。
■警察が認知しているのは8件、残りの3件は…?
久御山町で起きた九条ねぎの連続窃盗事件について、警察は今月6日、山本被告がほかの4件の事件にも関与したとして窃盗の疑いで最終送致をし、捜査は終結した。山本被告が犯行を行ったと自供したのは、警察が今年6月以降に久御山町と宇治市で窃盗事件を把握していた8件のうちの5件だった。警察によると、山本被告は警察が認知していない他の場所でも九条ねぎを盗んだと自供しているという。では、元々警察が把握していた8件のうちの残りの3件は、一体誰がやったのか…? 警察は、久御山町の周辺で今後も夜間のパトロールを実施し、捜査は継続して手は緩めないとしている。また、京都府では防犯カメラなどに対し補助金を給付するなど防犯対策を進めている。
猛暑の影響で栽培がうまくいかず窃盗という犯罪に手を染めたとするならば、来年もまた同様の事件は起きると話す農家が大勢いる。京都のブランド農産物を育てる農家だけではなく行政も一丸となって守る対策がいま、急務となっている。