高橋さんの直筆原稿（手前）を紹介する今川館長

　今年度の文化勲章受章者に、詩・俳句・短歌など幅広い分野で活躍する北九州市出身の高橋睦郎さん（86）が選ばれた25日、地元では受章を祝うムードが高まり、喜びの声が相次いだ。

　小倉北区の市立文学館は受章を受け、館内の一角に高橋さんによる直筆原稿の展示コーナーを設置。プロフィルを紹介するパネルに祝福のメッセージを添えた。

　高橋さんは、旧八幡市（現・北九州市八幡東区）生まれで、小学生の頃から門司で育った。文学館が作った図録に寄稿しており、「門司に住まなかったら詩と関わらなかったろうことは、間違いないようだ」といった記述もある。

　文学館が2006年に開館する前から親交がある今川英子館長は、「高橋さんの詩は深く、魂にふれるようだ。受章はすごくうれしく、地元の誇り」と喜んだ。その上で、「多くの文学者を輩出している北九州には詩人を育てる風土、歴史がある。そうした土壌をこれからも発信していきたい」と話した。

　市によると、高橋さんは22年、「北九州詩人会議」に参加し、市民との文学交流を深めたという。受章を祝い、武内和久市長は「故郷である北九州市の文化に新しい風を吹き込んで下さっていることに、深く感謝申し上げます。今後ますますのご活躍をお祈りいたします」とコメントした。