【町田に完敗した川崎フロンターレの中で何が起きていたのか(2)】平河悠が「相手のウィークポイントとしてわかっていた」と話したポイントが、66分の交代を“誘引”した
自陣の左タッチライン際にいたDF林幸多郎にパスが入った32分。FC町田ゼルビアのボランチ仙頭啓矢の脳裏には、先制点までの経路が浮かび上がっていた。 ■【動画】町田の選手が「ウイークポイント」と明かしたサイドを使っての「川崎への攻撃場面」■ 中盤の底にアンカーを配置する川崎フロンターレの攻略法として、アンカーの両脇に広がるスペースを自身が突き、攻撃の起点になる形を磨いてきた。 「まず相手のサイドバックを引き出せるのか、引き出せないのか。あそこで右サイドバックが食いついてきたら、そのまま幸多郎から一発のパスで背後、というのもあったし、あの場面では来なかったので僕が縦に入って、スピードのあるサイドハーフの選手を生かす、という形を考えていた。それがうまくはまりました」 リーグ戦初先発のアンカー、ゼ・ヒカルドの左側のスペースへ走り込みながら、仙頭は右手でパスを要求。林から引き出したボールをワンタッチで縦へ供給した。前方にはあうんの呼吸で、スピードに長けた藤本一輝がすでに走り出していた。 FW登録ながら左サイドハーフで起用されている藤本の間で、アイコンタクトの類は特になかったと仙頭は言う。あったのは川崎戦へ向けた練習の賜物だった。 「僕がボールを持ったときには常にあのスペースに走ってくれと、サイドハーフの選手には要求していました。練習からお互いのイメージが共有できたと思う」 川崎の右サイドバック、瀬川祐輔の裏を突いた藤本が絶妙のクロスを中央へ送る。戻ってきたDF高井幸大と動きが重なりかけたからか。GKチョン・ソンリョンもボールに触れなかったファーサイドで、町田のFW藤尾翔太が右足をヒットさせた。
■平河悠「相手のウィークポイントとしてわかっていた」
千金の先制弾を守り抜き、白星を手にした直後の公式会見。青森山田高から転身を遂げて2年目を迎えている、町田の黒田剛監督がこんな言葉を残した。 「どちらかと言うと、藤本のサイドがかなり手薄になっていた部分があった」 町田の右サイドハーフでは、スピードとテクニックでJ1戦線でも活躍中の、山梨学院大から加入して2シーズン目の平河悠が圧倒的な存在感を放つ。U-23日本代表にも選出されたドリブラーに、川崎も警戒マークをつける。平河が言う。 「攻撃のところは左サイドに任せる、じゃないですけど、左サイドが空くのは相手のウィークポイントとしてわかっていた。その意味でも自分が中に入るとか、警戒されるような囮になって周りの味方を生かす、というのは考えていました」 林を規制するのは、対面の右ウイング家長昭博の仕事のひとつ。しかし、この場面ではほぼプレッシャーをかけず、仙頭を含めて自由にプレーさせてしまった。 家長に代わって66分から投入されたFW小林悠は5分後に、前線への抜け出しからGK谷晃生のDOGSOによる一発退場を誘発。川崎を数的優位に導きながら、最後までゴールネットを揺らせなかった小林が、町田に抱いた思いを明かす。 「みんなが戦って、やるべきプレーがはっきりしている。率直に強いと思いました。それを上回るための技術、といったものが必要になるとあらためて感じている」 10人の町田に敗れた結果を踏まえて、戦い方、メンタル、事前の準備とすべての面で後塵を拝していたと現時点では認める。敵地・町田GIONスタジアムで再び対峙する10月5日の第33節でのリベンジへ。川崎に絶対に譲れない目標ができた。 (取材・文/藤江直人)
サッカー批評編集部
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