日本PTA全国協議会、事務局長空席など運営体制「不適切」…内閣府が行政指導
公立小中学校PTAの全国組織「日本PTA全国協議会」(日P、太田敬介会長)の法人運営や事務局体制が不適切だとして、内閣府が公益法人認定法に基づき、日Pに行政指導をしていたことがわかった。事務局長が空席状態のうえ、2023年度の決算や事業を承認する理事会の開催を規定の期間中に行わない法令違反などがあったとして、11月中旬までに改善策を盛り込んだ報告書を提出するよう求めている。
日Pは公益社団法人で、公益目的の事業は税制優遇がある。行政指導(報告要求)は、その資格を審査する内閣府公益認定等委員会が、9月に実施した立ち入り検査の結果を踏まえて10月11日付で行った。
内閣府の指摘などによると、日Pは事務局長と事務局次長がそろって不在となった状態が現在を含めて複数年あり、内部規定に反し、経理や文書管理の実務を事務員1人が主に担っていた。また、立ち入り検査時の役員の説明と異なり、会長印と代表理事印、銀行印が同じ印章で、事務員が使っていた。
さらに、23年度の決算などを承認する理事会について、法令上は総会の2週間以上前に開くべきなのに失念し、総会3日前に臨時で開催した。内閣府は日P宛ての文書で「法令などに沿って運営する認識が乏しく、適正な運営が図られていない」としている。
報告書の提出後も改善がない場合、内閣府は勧告や命令を出し、不適格と判断すれば公益法人認定を取り消すことがある。
日Pの23年度の会員数(児童生徒数)は716万人に上るが、運営体制が不透明だとの不満などから、下部組織の退会が相次いでいる。