アニメ『ささ恋』先輩の親友視点で感じる作品の魅力、今後は「ギャップ」にも注目【小松未可子さんインタビュー】
恋心の描写に「羨ましい」音楽の魅力
――依とひまりの関係をご覧になった感想はいかがですか? 小松:ひまりは恋愛的な「好き」がわからないと言っていますが、「好きの度合いの違い」ってリアルでも起こりうることだと思うんです。同じ恋愛の「好き」だとしても、その熱量みたいなものは人によって違うと思いますし、自分の気持ちと相手の気持ちでバランスが違うように感じることもあるので、そういう意味ではありうる関係性なのかなと思いました。きっと、その溝をお互いに埋めていこうとするのが恋愛で、今まさにそれをやろうとしている依とひまりが尊いし、羨ましいなと感じます。 ――羨ましい、ですか。 小松:中高生ぐらいの頃って、告白をゴールだと考える節がありますよね? 私も当時はそこから先に考えが及ばなかったというか、「付き合うって、何するの?」みたいなところがあったので、告白から先の恋愛をしていく二人が羨ましいなと思ったんです。「こうしてあげたい」とか「こうすればいいのに」とか、大人の視点でお節介をかけたくなるところもありますが(笑)、いい青春だなと思いながら見守っています。 ――恋愛の喜びも苦しみも生き生きと描かれているのがいいですよね。 小松:そうなんですよ! 好きな相手のちょっとした行動に喜んだり、ちょっとしたすれ違いを人生最大の問題に感じたり。やっぱり十代のときって、生活の中で恋している時間が一番長いんじゃないかというときがありますからね。その感覚を丁寧に描きつつ、さらに音楽というものにその心情を乗せているところもこの作品の魅力だなと思います。 ――そして第3話では、ひまりが恋愛的な「好き」はわからないけれど、それでも依と一緒にいたいと本心を告げました。 小松:ここからひまりの気持ちがどうなっていくのかが気になります。「好き」の種類がたくさんあることを知り、依の「好き」と自分の「好き」の意味合いが違うことに気づいた。そこから依と過ごすことで彼女の「好き」と自分の「好き」が重なっていくのか、そうではないのか。これは“ひとめぼれ”から始まった物語ならではの面白さだなと思っています。その危うさも含めたドキドキ感がたまらないですね。 ――依についてはいかがですか? 小松:依は……いいですよね~。 ――どんなところがいいですか? 小松:普段クールな依がひまりに入れ込んで、かき乱される姿がかわいくて。最初にみんなに幸せになってほしいとお話ししましたが、もっと闇を感じさせてほしいと思う気持ちと、ピュアな恋心のままでいてという二つの気持ちが芽生えそうになっています(笑)