甲子園の“代償”!? 酷使された絶対的エース(2)“イップス”に泣いた最強ドラ1
8月7日に開幕した第106回全国高等学校野球選手権大会。多くの観客を魅了し続けている一方、夏の甲子園による影響を指摘されることは珍しくない。その一つが投手の「投げすぎ問題」で、甲子園で力投を見せた選手の多くは、何かしらの不調や故障に苦しんできた。今回は、甲子園で700球以上を投じ、プロ入りした選手を紹介する。 【表】夏の甲子園2024 組み合わせトーナメント表
川口知哉(820球)
投打:左投左打 身長/体重:184cm/86kg 生年月日:1979年8月25日 経歴:平安 ドラフト:1997年ドラフト1位 ドラフト会議では4球団が競合し、大きな注目を集めた川口知哉は結果的にプロで1勝も挙げられなかった。 川口は平安(現・龍谷大平安)の出身で、3年夏の甲子園に出場。「2桁奪三振と完封勝利」を宣言するなど、強気な発言が話題となった。 決勝戦で敗れたものの準優勝の立役者となり、一躍ドラフト1位候補に名乗りをあげた川口。4球団が1位指名し、抽選の末にオリックス・ブルーウェーブ(現:バファローズ)への入団が決まる。 誰もが”将来のエース”という期待をかける中、高卒1年目にフォーム改造に着手。この出来事が川口の運命を狂わせたのか、高校時代のような投球が見られないようになった。自身も「完全にイップスだった」と語るように、本来の投球は影を潜めた。 ルーキーイヤーは1試合登板で防御率27.00という成績に終わり、翌年以降は1軍のマウンドに立てない日々が続いた。プロでは通算9試合の登板にとどまり、2004年で現役引退。フォーム改造に加え、甲子園で投じた820球もダメージを与えていたかもしれない。
ベースボールチャンネル編集部