将棋連盟×甲子園球場の100周年記念コラボ対局は藤井聡太七冠が羽生善治九段に敗れる
日本将棋連盟と阪神甲子園球場(兵庫・西宮市)の、ともに100周年を祝う将棋・藤井聡太七冠=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=と羽生善治九段の記念コラボ対局が8日、同球場で指された。 伝統の1世紀を記念した異色コラボだが、同球場で将棋の対局が行われるのは、1948年10月に松田辰雄八段と大山康晴八段(当時)が新聞社の企画で「人間将棋」(勝者・松田)として約3万5000人のファンの前で指して以来、76年ぶり2度目。 冷たい浜風が吹く師走の甲子園は、この日は最高気温11度(日本気象協会調べ)。さすがにマウンド上などでのグラウンド対局ではなく、平成と令和を代表する天才棋士2人は、皇族やVIPの観戦用の貴賓室でテーブル対局で盤を囲った。観衆はバックネット裏、1塁・3塁内野席でバックスクリーンや特設大型モニター、大盤解説会で見守った。 振り駒の結果、先手は藤井で、いつも通りお茶で心を落ち着けてから飛車先の歩を突き、戦型は角換わりに。持ち時間各30分(チェスクロック方式、切れたら一手30秒未満)の早指し戦は、藤井が先に秒読みに入る苦しい展開。羽生も有利な流れで秒読みとなったが、タイトル99期のレジェンドが貴重な対局を制した。 終局後、2人はグラウンドを歩いて観衆に手を振り、大盤解説ブースに登壇した。後手の120手で完勝した羽生は「なかなかこんな機会はなく、うれしい。私にとっても記念になります。藤井さんからお祝いをいただいたよう。会長思い」と話し、沸かせた。藤井は「こういった素晴らしい舞台で指せ、羽生九段の強さも身にしみ、勉強になりました」とスピーチした。
報知新聞社