世界で最も「労働時間が長い」のは「メキシコ」だそうですが、日本と比べるとどれだけ長いのでしょうか? また、「時給」は日本換算でどのくらい?
現在日本では、労働基準法によって働き方が制限されています。労働時間も決められており、少しでも規定時間を超えてしまうと最悪の場合、行政指導や刑事処分に至る可能性があります。 世界に目を向けた場合、最も労働時間が長いのはメキシコといわれていますが、日本とどのくらい違うのでしょうか。今回の記事では、日本とメキシコの労働時間の差や時給の違いについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
日本とメキシコの労働時間
まずは現在の日本とメキシコの働き方の差を比べてみます。それぞれの国の労働時間がどのくらいなのかをみてみましょう。 現在日本では、労働基準法により1日8時間、週40時間以上の勤務が禁止されています。しかし、時間外労働協定を結べば時間外の勤務も許されることになっています。日本は労働時間が長い傾向がありますが、実は、世界で最も労働時間が長いのはメキシコです。 日本とメキシコの労働時間と時給について説明します。 ■日本の労働時間 厚生労働省の年間総実労働時間の推移を見てみると、令和3年度は1710時間となっています。内訳は、所定内労働時間が1570時間、所定外労働時間が140時間です。年間総実労働時間が最も多かったのは昭和35年で、2426時間となっています。 昔に比べると現在の労働時間は減少傾向にあり、所定外労働時間は1ヶ月で11時間程度です。ノー残業デーを取り入れている会社や、政府でプレミアムフライデーの実施が行われるなど働き方を見直す取り組みもありますが、それでもまだ労働時間が長いことが課題となっています。 ■メキシコの労働時間 一方、メキシコの労働時間は日本と大きく異なります。 メキシコでは日中勤務時間、夜間勤務時間、混合勤務時間の3つに分類されています。労働時間は日中勤務時間(午前6時から午後8時まで)が8時間、夜間勤務時間’(午後8時から午前6時まで)が7時間、混合勤務時間(日中勤務時間と夜間勤務時間を含む労働時間で、夜間勤務時間が3時間30分以下の場合)が7時間30分です。 また、週の法定労働時間は日中勤務が48時間、夜間勤務が42時間、混合勤務時間が45時間となっています。 ■日本とメキシコの差 多くの場合、日本の1日の労働時間は8時間、週40時間であるため、メキシコの方が週の法定労働時間が長いことが分かります。また、日本で6時間以上働く場合は最低でも45分の休憩がありますが、メキシコは1日の労働につき最低30分の休憩しかありません。日本と比べると、労働環境はあまりよくない可能性があるといえるでしょう。