進富が構法開発とトンネル鋼製支保工の頂部継手共同開発。高い安全性・省力化に寄与、NETISに登録
進富(本社・千葉県白井市、社長・日色大輔氏)は、構法開発(東京都文京区、同・大西克則氏)と共同で、トンネル鋼製支保工の頂部継手「ダブル・ピン・カプラー(DPC)」を開発した。従来のエレクターによる建て込みの無人化に向けて、高い安全性の確保と省力化の実現に寄与。このほど国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、量産体制を確立している。 DPCは、支保工のサイズに応じて5タイプの商品バリエーションを構成し、いずれのエレクターにも適用可能。部品は左右共通の仕様とし、プレハブの量産化手法に基づいて製造する。それぞれ工場で組み上げて支保工に取り付けた後、施工現場で互いのピンを継手板の孔に差し込んで結合させる。孔には一定のクリアランスを設けているためピンを通す先が大きく見え、エレクターで建て込む際に調整しやすい。 既存の継手は継手板の面外が曲がるのに対し、DPCはピンそのものが曲がる仕組みになっており、ピンの太さで強度が決まる。東京都産業技術センターで実施した比較試験では、曲げ性能や、許容強度、最大強度が既存の継手を上回る評価を得るとともに、複数の施工現場で使用実績があり、大幅な作業時間の短縮や技能者の削減につながることが実証されている。 進富は1982年の創業以来、板金を起点に、鋼材の加工販売や、建築・住宅建材の設計・製造・施工を幅広く展開。本社を置く白井市内に平塚・名内・河原子の3工場を構え、国土交通大臣が認定する鉄骨製作の工場資格「Mグレード」を保有する。 市場では、少子高齢化で技能者の確保が難しくなる中、一連の無人化は急務な課題の一つに挙がる。同社では「(建築や土木といった分野を問わず)安定した工場でモノを作り、それらを活用して現場での作業を減らすということが必要になってくる」(日色社長)との認識の下、今後はDPCに続いて、無人化に必要なラインアップの拡充に対応。これまで培ってきたノウハウやネットワークを生かすなどし、さまざまな課題の解決に取り組んでいく考えだ。