中国二輪メーカーは激動の時代に「宇宙開発・AI開発企業が作る超速電動バイクと、模倣商品が入り乱れる」
中国車といえば「小排気量ばかり」「コピー車ばかり」というイメージを抱く人が多いのではないだろうか。しかし、中国の二輪メーカーは激動の時代に入っているといっても過言ではない。 宇宙開発やドローン、AIなどを手掛けてきた企業が高性能EVを開発したり、ダカールラリーやスーパーバイク世界選手権といった世界的レースで実績を残しているメーカーもある。一方で、コピー車的なものもまだまだ──。 【画像40点】これが最新の中国車だ!「大排気量車は当たり前、最高速200km/h・航続距離300kmの高性能電動バイクも」 そうした中国の二輪メーカーを世界最大級のバイクショー・EICMA(*)で取材。日本にはなかなか情報が入ってこない「中国メーカーの今」をレポートする。 *編集部註:イタリアのミラノで例年11月に開催される二輪車だけのモーターショーで、通称ミラノショーとも呼ばれる。メーカーが販売店やインポーターに商品を売り込む見本市という要素が強いため、コンセプトモデルなどは少なく、新型の市販車が多く発表される。
KOVE MOTO(コーベモト)「ダカールラリーでも実績を残す、オフロード系メーカー」
「KOVE MOTO」(コーベモト)は2017年に中国・重慶市で創業した若い車両メーカーだが、すでに年間生産台数は2万台を突破し、300cc以上のバイク販売数は中国4位という破竹の勢いを見せている新進気鋭メーカーだ。 コーベモトはオフロード系を得意としており、今年、2023年のダカールラリーに3台の「450ラリー」で参戦して見事に全車完走を果たしている。450ラリーはコーベジャパンが取り扱いを開始しており、近日中に入荷予定だという。そのほかにもスーパーバイクスペイン選手権(ESBK)やスーパーバイク世界選手権(WSBK)のSS300クラス、スーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)にも参戦し、実績を重ねている。 そんなコーベモトはオフロード系を中心にモデルを展示。799cc水冷並列2気筒エンジンを搭載するアドベンチャー「800Xラリー」、450ラリーとエンジンやフレームを共通とし、装備重量わずか98kgのモトクロッサー「MX450」を展示。前述のSS300参戦マシン、364cc水冷並列2気筒を搭載するレーサー「321RR」やダカール完走マシンも展示していた。 ■コーベモト 800Xラリー 最高出力95馬力の799cc水冷並列2気筒エンジンを搭載。ホイール径はフロント21インチ・リヤ18インチで、最低地上高は293mm。 ■コーベモト MX450 449.9ccの水冷単気筒エンジンのモトクロッサーで、最高出力65馬力、最高速170km/hを公称