「道頓堀ZAZA」が新世界に移転、新たな劇場文化創出へ
大阪市中央区道頓堀にあった多目的ホール「道頓堀ZAZA」が移転し、「新世界ZAZA」(大阪市浪速区)として、15日再始動する。かつて新世界は多くの演芸場があった興行のまちとして知られるだけに、関係者らは「大阪の歴史と財産を後世に残すのが使命」と強調している。 【写真】ZAZA HOUSEの隣では、「ZAZA POCKETS」の建設が進んでいる 道頓堀ZAZAは平成22年、複合商業施設「中座くいだおれビル」地下にオープン。江戸時代、「道頓堀五座」と呼ばれた芝居小屋が集まっていた地に、「ZAZA HOUSE」「ZAZA POCKETS」の2劇場を擁し、演劇やミュージカル、お笑いライブ、落語会など多種多様なステージを展開していた。しかし、契約期間が切れたため、先月6日に閉館。新世界移転を決めたという。 ZAZAを運営するバイタルアートボックスの吉元常洋社長は「捨てる神あれば拾う神あり。14年間築き上げてきたブランドを新世界は受け入れてくれた」と目を細める。新世界は道頓堀と並ぶ興行のまちとして栄えてきた歴史を持ち、大阪のシンボルタワー・通天閣の地下には「通天閣歌謡劇場」(平成25年閉館)があった。 移転した「ZAZA HOUSE」は、平成27年にオープンした劇場「シアター朝日」を改装した。もともとは映画館だったため、約140席の固定席が設置されているが、ステージ部分を広くしてトイレも移動させている。また、ZAZA HOUSEの隣接地には、平屋建ての劇場「ZAZA POCKETS」(約80席)を建設中で、8月開館を目標にしている。 吉元社長は「新世界には若手の芸人や俳優、アーティスト、アイドルを育てる土壌が整っている。関西で育った小劇場文化を後世に残していきたい」と意気込んでいた。