【避難所の新常識】災害時、避難所に入れないこともある!? 読むだけで災害時の動き方が変わる! 自然災害が頻発する今、知っておきたいこと
災害時、指定避難所に行けば安心?
災害が身近で起こった場合、指定避難所があるからと安心していると、思いがけないことが起こるかもしれません。災害時に避難所に入り、ボランティアセンターや支援プログラムなどに携わっている「認定NPO法人 レスキューストックヤード」の浦野愛さんにお話を伺いました。 【画像6枚】実際の避難所での様子(写真提供:レスキューストックヤード) ■指定避難所に想定の6倍以上の人がかけつけることも ――いま大きな災害が各地で起こっていますが、自宅に避難警報が出たり、家が住みにくい状態になってしまった場合、どこに避難したらいいのでしょうか。 避難場所としてまず思い浮かぶのは「指定避難所」と言われる小中学校や公共施設なのではないでしょうか。災害が起こる前から指定されている場所で、行政が設置開設するルールとなっており、ここには行政の職員が何名か配置されます。また、地域ごとに異なりますが、防災倉庫がある指定避難所も多く、災害用品が一定数ストックされています。 しかし、指定避難所に行けば必ず入れるかと言うとそうではなく、指定地域の全ての方が入れない場合もあります。例えば300人が入れる避難所に2000人来ることも。そのため、食料等の備蓄品において、行政は日頃から最低3日間は耐え抜ける準備を、各自で行ってくださいと呼びかけています。 ■さまざまな理由で、避難所を利用しづらい人がいる 避難所へ入りたくても、遠くて行けなかったり、行く途中の橋が落ちて辿り着けないことがあります。また、ペットを飼っている方や身体の不自由な方、地震のあとには「建物に入る恐怖感」から避難所に入れない人もいます。赤ちゃんのいる親御さんで、一度避難所に入っても夜泣きなどによって肩身が狭くなり、自主的に避難所を出ていく方も多く見てきました。 ■公民館や寺、ビニールハウスなどで自主避難 ――避難所に入れなかった人たちは、どうしているのですか? 自分たちで公民館やお寺の社務所を借りて避難所にする場合や、ビニールハウスや車中に泊まる人、電気や水道が止まっている自宅にそのまま住み続ける人もいます。ただ、外部の支援が届きやすい指定避難所と違い、自主的な避難場所には職員が配置されず、支援も届かないなど、状況としては非常に過酷です。 自主避難をしている方は、行政に知らせて把握してもらうことではじめて、支援を受けたり、医療チームの巡回場所として考慮してもらえたりすることがあります。 そのほか、被災地の外に避難する人もいるのですが、どうしても支援から取りこぼされてしまいます。居場所がわからなくなり、申請も滞るからです。元の生活になるべく近づくため、行政や社会福祉協議会の生活再建の制度を利用したり、私たちのような民間の支援団体に相談していただければと思います。