「中居正広は引退しろ」「フジの放送免許を取り消せ」と叩きまくる人の“正義”に抱く違和感…厳罰を求めるムードが高まる一方で、何が見落とされているのか?
中居正広さんの女性トラブルに関する記事とコメントが過熱しています。 事の深刻さを物語っているのは、その多くが怒り、失望、嫌悪などを感じさせ、「謝罪会見」「芸能界引退」を求めるなどの厳しい声で占められていること。さらに「トラブルにフジテレビ局員が関与している」と報じられたことで同局への批判があがり、ひいてはテレビ業界全体を糾弾するような声も見られます。 【画像】叩きまくる人の怒りがさらに過熱した「中居正広の謝罪文」 騒動の影響を受けて中居さんの姿はテレビから消えました。
1月7日の「ザ! 世界仰天ニュース4時間SP」(日本テレビ系)は中居さんだけをカットして放送。その後も10日の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)、11日の「中居正広の土曜日な会」(テレビ朝日系)、12日の「だれかtoなかい」(フジテレビ系)、13日の「THE MC3」(TBS系)とすべてのレギュラー番組が差し替えられています。 そして9日夜、中居さん本人がついにコメントを発表。その内容によってさらに批判的な記事やコメントが増えた感がありますが、本当にこの流れのまま進んでもいいのでしょうか。
中居さんを擁護するつもりはありませんが、フラットな目線から一度、冷静に考えてもらうべく、現時点で見落とされがちな2つの論点をあげていきます。 ■「被害者置き去り」の勝手な議論 最も重要であり、前提としてあげておきたいのは、被害者保護という論点。 報じられていることが事実であり、女性が意に沿わない性的行為を受けたのなら、すべてに優先して配慮されるべきでしょう。本人の意思こそわからないものの、第三者が関与し、騒ぎ立てるほど精神的に追い詰められていく危険性が高まっていきます。
実際、私の相談者さんに、「性的被害を家族や友人に話したところ、自分事のように怒ってくれたのですが、それについて考えなければいけない機会が増えて、フラッシュバックしてしまうことがあった」という人がいました。 もちろん個人差はあるでしょうが、「当然、怒りや懲罰感情はあるけど、そっとしておいてほしい」「家族や友人が謝罪させるために相手と会おうとすることすらやめてほしい」という人もいるのです。 ネット上には、中居さんに「謝罪会見を開け」、テレビ局に「この問題を番組で扱え」と求める声であふれていますが、相手女性がそれを望んでいるかはわからず、むしろ逆に「やめてほしい」と思っているかもしれません。