「中居正広は引退しろ」「フジの放送免許を取り消せ」と叩きまくる人の“正義”に抱く違和感…厳罰を求めるムードが高まる一方で、何が見落とされているのか?
■「許せない」とあおる週刊誌 一方、週刊誌サイドにしてみれば、「許せない」をフィーチャーすることで人々の大きな反響を得ました。実際、「人々の怒りを集め、多くの臆測を生み出し、続報につなげて稼ぐ」というビジネスとしての広がりを見せています。 週刊誌サイドがビジネスライクになるほど被害者保護の論点が希薄になり、その結果ネット上での特定が進んでしまうなど、セカンドレイプのような状態につながってしまいました。
現在の状況を客観的に見ると、“ビジネスのために扇動する週刊誌”と“扇動される世間の人々”という図式であり、両者の共通点は被害者置き去りで騒動を拡大化させていること。 ある記事のコメント欄に「今騒いでる人たちって結局週刊誌に踊らされてるだけじゃん あんたらメディア嫌いだったん違うの? 芯無さすぎだろ」という指摘がありました。「週刊誌報道なんて信じない」と思っていたのに、今回はおおむね信じ、臆測を含めて批判していないか。自分の胸に手を当てて考えてみてください。
今回の問題は「報じた週刊誌以外メリットがある人が少ない」という現実があります。中居さんは当然としても、相手女性は示談したものを掘り返され、存在を特定されかけ、誹謗中傷されるなどの苦しい状況。その他でも番組の関係者は混乱に陥り、中居さんのファンは落胆させられたほかネット上で叩かれています。 中居さんだけでなくフジテレビ、ひいてはテレビ業界の問題として騒動を拡大化・長期化させるような動きにも冷静な視点が必要でしょう。
フジテレビは「弊社社員に関する報道」について、「事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関知しておりません」「会の存在自体も認識しておらず、当日、突然欠席した事実もございません」などと否定しました。 ■「決めつけ」で訴えられるような事態は避けたい 報道内容に加えてこの対応にも批判が殺到していますが、単純に「隠蔽だ」「上納システムが暴かれた」などと決めつけるのも乱暴でしょう。