『家いっぱいの愛』チ・ジニの謎めいた役作りに胸騒ぎ ASTRO ユンサナが物語の清涼剤に
チ・ジニがダメ夫から大金持ちに豹変!? コメディーかミステリーか?
正義感が強くスタイリッシュな父親を演じたら右に出る者はいないチ・ジニだが、本作では妻のエヨンに「このでくのぼう!!」とののしられるダメな夫&父として登場する。 さまざまな事業に手を出すが、何をやってもタイミングが悪く上手くいかず失敗。挙句の果てには、家計を支えるために全財産をはたいて飲食店を始めたエヨンの邪魔をして離婚をすることに。そして当時高校生だった娘のミレに家を追い出される。 今回、チ・ジニが演じるムジンは、物語が始まってもなかなか姿を現さないため、ファンは「一体いつ登場するんだ?」とヤキモキするだろう。第1話の最後に無表情で姿を見せ、驚いて倒れ込むエヨンを支えるなど、カッコよさを見せる。 あれ? クールないつものチ・ジニではないか……と思うのだが、第2話では、ムジンのでくのぼうぶりが描かれていく。なるほど、娘のミレが激怒するのも仕方がないかも……と思えるエピソードの数々だが、ムジンは決して悪い人物ではなく、単に運がなく間が悪い人物なのではないかと感じる。 そんなムジンが家を追い出された11年後に金持ちとなって再び家族の前に姿を現したわけだが「良かったねー。人生大逆転だねー」と単純に喜べる雰囲気ではない。火事で亡くなった大家と火事の前日に酒を飲んでいたことが家族ビラの住人に目撃されているからだ。そして何をやっても上手くいかなかったムジンが、なぜ金持ちになったのか、エヨンに対して「ここまでくるのに何をしてきたと思っている」と怒鳴ったことも気にかかる。 チ・ジニは、コメディなのかミステリーなのか視聴者を翻弄する演技を見せている。11年ぶりに家族の前に登場した時のクールなたたずまい、その一方で第2話のラスト、テピョンに蹴りを入れられた瞬間の顔に大爆笑した人も多いだろう。しかも鼻血を出しながらうろたえる姿はコメディ以外の何ものでもない。 一体ムジンは11年間、何をしてきたのだろうか? ドラマ『マエストラ』で良い人と思わせて悪人を演じたキム・ヨンジェがムジンのビジネスパートナーなので、どうも胸がざわついてならない。