東京海上あんしん生命、超長期金利は想定超える上昇の可能性
(ブルームバーグ): 東京海上日動あんしん生命保険は主要投資対象である30年国債の利回りについて、今年度内の上限は2.4%と想定している。ただ、補正予算の規模が膨らんだ場合はこの水準を上回るリスクもあるとみている。
経理財務部財務グループの田島正裕マネジャーは13日のインタビューで、「補正予算が20兆円を超えてくると国債の発行が増え、30年債利回りは2.4%を超える可能性もある」との見方を示した。
米大統領選後に米国で長期金利が上昇している上、日本銀行の追加利上げ観測で国内金利も上昇、新発5年債利回りは13日に15年ぶりの高水準を付けた。財政政策に敏感に反応する超長期債は当面、需給不安から利回りの上昇が続くとみられている。
田島氏は、日銀の利上げは2025年1月と見込む。25年度も2回行われ、政策金利は1%に達するとみる。0.5%を超える利上げは久しくなく、金融市場では今年度より先の利上げ織り込みは進んでいない。「織り込みは少し浅いのではないか」と同氏は述べた上で、今後は10年債利回りが「1%より上で推移する時間帯が長くなる」と予想する。
トランプ氏の米大統領選勝利や共和党が上下両院で過半数を占めるレッドスウィープの影響については「中国への関税がより重くなった場合に日本の輸出が代替的に増える可能性もある」と指摘。現時点で「非常に大きな負の影響があるとは思ってはいない」と話す。
ドル・円相場は今年度内1ドル=140-160円を想定。「160円を超える局面があってもおかしくない」と言う。
東京海上日動あんしん生命は東京海上日動火災保険とともに東京海上ホールディングスの傘下にあり、3月末の資産は8兆8188億円。うち国債保有額は前年同期比691億円減の7兆615億円。あんしん生命の宮沢裕之セクションチーフは同社の資産運用方針について「東京海上日動火災保険と密に連携を取っている」と話す。
宮沢氏はその上で、24年度の国債残高は「レンジの範囲であれば基本的に横ばい。購入、売却とも大きく動くことは今のところ想定していない」と語る。レンジを超える場合は「機動的に判断する」方針だ。原則ヘッジ付きに投資している外債の残高も横ばいを想定し、「基本的には大きな売買は予定していない」と話した。